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  • フレンチブルドッグの涙やけ|涙が多いのに、目は乾いています

    カフェのテラスで座るブリンドルのフレンチブルドッグ
    この記事について

    現時点では個人的に感じた感想や意見はまだ記載しておりません!

    海外の獣医学的に涙やけをどう捉えるのかをまとめて参照した内容となります!

    これはこういうのはあった。これはどうだろう?という僕の経験則の部分はまた随時更新いたします!

    こんな人にオススメな内容
    • フレブルの目の下や鼻のシワが赤茶色くなって、拭いても戻らない
    • 涙が多いのに、病院で「目が乾いている」と言われたことがある
    • 鼻のシワが赤い、においがする
    • 痛がっていないので、様子を見ていいのか迷っている
    1. 涙は「多い」。それなのに、目は乾いています
    2. 涙の通り道は、逆U字に曲がって坂を上っています
    3. まぶたが閉じきらず、鼻のシワに涙がたまります
    4. 毛色で「見え方」が違うだけで、起きていることは同じです
    5. 角膜に傷ができやすく、痛がりません
    6. 受診の目安チェックリスト
    7. 結膜炎とアレルギーも、涙を増やします
    8. 自宅でできること
    9. CLEAR WATER を使う場合の手順
    10. やってはいけないこと
    11. よくある質問
    12. まとめ
    13. 参考文献
    14. 免責事項

    フレンチブルドッグの目の下と鼻のシワが、いつのまにか赤茶色になっている。拭いても戻らないし、シワの奥がにおう気もする。目はいつもうるんでいるのに、病院では「乾いている」と言われた——そう検索してこのページにたどり着いた方に向けて書いています。

    フレンチブルドッグの涙やけは、マルチーズやトイプードルの話をそのまま持ち込むと外します。毛が涙を吸い上げる話ではなく、涙の質と、涙の通り道の形の話 だからです。

    海外の獣医学的な情報源を確認したうえで、順に整理します。本文で触れている資料の出典は、すべて記事末尾の参考文献に挙げています。

    先に結論だけお伝えします。

    • 健康なフレンチブルドッグ50頭(90眼)を調べた研究では、涙の量はむしろ多く、目にたまっている涙は短頭種でない犬の約2倍 でした。それなのに 涙の膜がもつ時間は約半分(7.39秒 対 14.74秒)です
    • 同じ研究の著者らは、健康とされた 全頭に「蒸発亢進型ドライアイ」の所見があった と報告しています。涙が多いことと目が乾くことは、同時に起きています
    • CTで涙の通り道を調べた研究では、フレンチブルドッグの鼻涙管は 逆U字に曲がって坂を上る形 で、61.1%の個体で上顎の犬歯の根の下を横切っていました。ただし「詰まっている」わけではありません
    • 英国の一次診療2,781頭の記録では、フレンチブルドッグは 角膜に傷ができる確率が他の犬種の4.38倍、皮膚のシワの皮膚炎が11.18倍 でした
    • 短頭種は角膜の感覚が鈍く、痛がるサインが出にくい 犬種です

    涙は「多い」。それなのに、目は乾いています

    カーペットに伏せてこちらを見る黒いフレンチブルドッグ

    ここが、フレンチブルドッグでいちばん誤解されている点だと思います。

    2025年に発表された研究が、健康なフレンチブルドッグ50頭(90眼)と、短頭種でない犬30頭(58眼) の涙を比べています。結果は次のとおりでした。

    測定項目フレンチブルドッグ短頭種でない犬
    涙の分泌量(シルマー涙液試験I)19.05 mm/分16.88 mm/分
    目にたまっている涙の量(涙液メニスカス高)0.64 mm0.31 mm
    涙の膜がもつ時間(非侵襲的涙液層破壊時間)7.39 秒14.74 秒
    油を出す腺(マイボーム腺)の欠損率25.32 %14.56 %

    出典:Spornberger らの研究(2025年)

    涙は多い。たまっている量は約2倍。それなのに、膜がもつ時間は約半分。

    涙は水だけでできているわけではありません。表面に油の層があり、その下に水、いちばん下に粘液の層があります。表面の油が足りないと、水はあっても目の表面に留まれず、部分的に乾きます。フレンチブルドッグでは、その油を出すマイボーム腺が失われている割合が高かった、というのがこの研究の見立てです。

    乾けば刺激されます。刺激されれば、反射的に涙があふれます。

    つまり、こういう順番で起きているのだろうと考えられます。

    • 油が足りないので、涙の膜がすぐ崩れる
    • 目の表面が乾いて、刺激される
    • 刺激で涙が増える
    • 増えた涙は、後述する曲がった通り道から抜けきれない
    • 顔にこぼれて、目の下と鼻のシワに残る

    著者らは、臨床的には健康とされたフレンチブルドッグの 全頭に蒸発亢進型ドライアイの所見があった とし、個体の問題ではなく犬種全体の傾向だと結論づけています。

    だから、「涙が多い」と「目が乾いている」は、この犬種では矛盾しません。涙やけだけを見て「涙が多すぎるのだろう」と考えると、乾いている側を見落とします。

    涙の量と質の違い、そして別の機器・別のチームで同じ傾向が再現されていることは、犬全体の記事に詳しくまとめています。

    あわせて読みたい 犬の涙やけの原因は?海外の獣医学的な根拠と受診の目安を解説 →

    涙の通り道は、逆U字に曲がって坂を上っています

    「短頭種は鼻涙管が曲がっていて詰まりやすい」という説明をよく見かけます。実際にCTで測った研究があるので、その数字で書きます。

    ドイツのチームが、パグ23頭、フレンチブルドッグ18頭、イングリッシュブルドッグ10頭と、正常な頭の形の犬6頭 について、造影CTで涙の通り道を三次元的に再構成しました。

    項目フレンチブルドッグ正常な頭の形の犬
    鼻涙管の曲がる角度80.4°112.0°
    上顎の犬歯の根の下を横切る個体61.1%—
    全体の形逆U字またはV字L字

    出典:Sahr らの研究(2021年)。角度は平均値

    管は短く押しつぶされ、通り道は逆U字に曲がり、涙は坂を上らされている。ここまでは通説どおりです。

    ところが、詰まってはいませんでした。 鼻涙管の途中には「副開口部」という別の出口があり、短頭種51頭のうち50頭(98%)で確認されています。この出口は短頭種に特有のものではなく、正常な頭の形の犬にも全頭にありました。違ったのはその使われ方で、短頭種の54%では、この副開口部が涙の唯一の出口 になっていました。本来の出口はほとんど機能せず、途中のバイパスが排水のすべてを引き受けている状態です。

    フレンチブルドッグの涙が抜けにくいのは、「詰まっている」からではなく、出口が本来の場所になく、通り道が坂道になっている からだと理解しておくと、この先の話がつながります。

    まぶたが閉じきらず、鼻のシワに涙がたまります

    ブランケットの上に伏せるフォーンのフレンチブルドッグの顔

    フロリダ大学獣医学部の Caryn E. Plummer 教授(米国獣医眼科専門医)は、短頭種に共通する目の問題を「短頭種眼症候群」としてまとめています。フレンチブルドッグは、この解説で該当する犬種として名前が挙がっています。

    要点は4つです。

    • まぶたの開きが、目に対して大きすぎる。 目が前に出ているぶん、まばたきをしても上下のまぶたが真ん中で合わず、角膜の中央が閉じ残ります
    • 目頭側の下まぶたが、内側に巻き込みやすい。 涙の出口(涙点)の上にまぶたが乗る形になり、涙が出口に届きません
    • 鼻のシワの毛が、目に当たる。 シワが高い子ほど、毛が角膜に触れます
    • 角膜の感覚が鈍い。 傷ができても気づくのが遅れます

    フレンチブルドッグで、ここにもうひとつ加わるのが 鼻のシワの皮膚炎 です。

    こぼれた涙は目の下で止まらず、鼻のシワに流れ込みます。シワの内側は空気が通らないので、乾きません。英国の一次診療の記録2,781頭を解析した研究では、フレンチブルドッグが 皮膚のシワの皮膚炎になる確率は、他の犬種の11.18倍 でした。

    そして、鼻のシワは角膜にとっても危険です。700頭を対象に顔の形と角膜の傷の関係を調べた研究では、鼻のシワがある犬は、ない犬に比べて角膜潰瘍のリスクが約5倍 でした。

    「涙やけ」「シワの赤み・におい」「角膜の傷」は、フレンチブルドッグでは別々の問題ではありません。同じ涙が、同じシワを通って起こしている一続きの話 です。

    同じCTの研究でフレンチブルドッグより急な59.7°だったパグは、皮膚のシワの感染が10.98倍でした。

    あわせて読みたい パグの涙やけ|涙の跡より先に、角膜の色を見てください →

    同じ「目が前に出た顔」のボストンテリアについては、5〜9歳から曇る角膜とチェリーアイを中心に、別の記事にまとめています。

    あわせて読みたい ボストンテリアの涙やけ|白い口まわりの跡と、5〜9歳から曇る角膜 →

    同じCTの研究で84.3°だったイングリッシュ・ブルドッグについては、チェリーアイ・ドライアイ・まぶたの巻き込みの数字を中心に、別の記事にまとめています。

    あわせて読みたい ブルドッグの涙やけと目の病気|チェリーアイ27倍・ドライアイ12倍、英国の記録が示すこと →

    鼻のシワと目の関係は、ペキニーズの記事でも同じ研究を引いて書いています。

    あわせて読みたい ペキニーズの涙やけ|鼻のシワと目のしくみ、緊急のサイン →

    毛色で「見え方」が違うだけで、起きていることは同じです

    ブランケットの上でくつろぐクリーム色のフレンチブルドッグ

    フレンチブルドッグは毛色の幅が広い犬種です。英国の一次診療で調べられた2,228頭では、ブリンドルが32.36%、フォーンが29.9% でした。

    ブリンドルの子は、涙やけがほとんど目立ちません。クリームやパイド(白地)の子は、少しの涙でも目立ちます。でも、目の表面で起きていること、涙がシワに流れ込んでいることは、毛色に関係なく同じです。

    だから、この記事はブリンドルの子の飼い主さんにも読んでほしくて書いています。着色が見えない犬種では、涙やけの代わりに次の3つで判断してください。

    • 鼻のシワの内側の赤み、におい、ただれ
    • 白目の充血、角膜の白い濁り
    • 目の下の毛が、いつも湿っている

    逆に、クリームやパイドの子で着色が目立っても、それ自体は毛の色の問題です。慌てて消そうとする前に、上の3つを確認してください。

    角膜に傷ができやすく、痛がりません

    街角で見上げる黒いフレンチブルドッグの顔のアップ

    ここからは、この記事でいちばんお伝えしたい内容です。

    先ほどの英国の研究(フレンチブルドッグ2,781頭 対 他の犬種21,850頭)では、フレンチブルドッグが 角膜に傷(角膜潰瘍)を負う確率は、他の犬種の4.38倍 でした。別の研究では、イングランドの一次診療10万4,233頭のうち、短頭種全体で雑種犬の11.18倍と報告されています。

    そして、より怖いのはここです。

    短頭種は、角膜の感覚が鈍いことが知られています。 角膜に傷ができても、痛みに気づくのが遅れます。痛がっていないことは、無事である根拠になりません。

    米国の大学病院に紹介された短頭種7犬種970頭の記録では、目の病気のうち 66.3%が角膜かまぶた周辺 のものでした。多い順に、角膜潰瘍、ドライアイ、角膜の色素沈着、白内障、ぶどう膜炎です。フレンチブルドッグは、この7犬種のひとつです。

    「涙やけが気になる」で来院したフレンチブルドッグの目に、すでにこうした変化が起きていることは珍しくない、ということです。

    受診の目安チェックリスト

    ひとつでも当てはまれば、動物病院にご相談ください。痛がっているかどうかで判断しないでください。

    • 白目が充血している
    • 角膜が白っぽく濁っている、もやがかかって見える
    • 黒目に黒ずんだ部分が広がってきた
    • 目を細めている・開けにくそうにしている
    • 前足で目をこする、床や家具に顔をこすりつける
    • 片目だけに症状が出ている
    • 急に涙の量が増えた
    • 黄色〜緑色の膿のような目やにが出る
    • 目頭に赤いふくらみが出てきた
    • 鼻のシワの内側が赤い、ただれている、においがする

    結膜炎とアレルギーも、涙を増やします

    もうひとつ、フレンチブルドッグで見落としたくないのが 結膜炎 です。

    英国の一次診療の記録2,228頭では、フレンチブルドッグで多かった病気は 外耳炎(14.0%)、下痢(7.5%)、結膜炎(3.2%) の順でした。結膜炎が3番目です。目の病気全体では10.5%の子に記録がありました。

    結膜炎は、白目やまぶたの裏側の炎症です。炎症があれば涙は増えます。原因はさまざまですが、フレンチブルドッグはアレルギー体質の子が多いとされる犬種で、外耳炎の多さもその一面と考えられています。目のかゆみ、耳のかゆみ、足を舐める、体をかく——これらが涙やけと同時にあるなら、目だけの話ではなく、皮膚科の視点が必要かもしれません。

    これは、フードやサプリで自己判断する話ではありません。結膜炎かどうか、アレルギーが関わっているかどうかは、診察で分けてもらう段階です。

    自宅でできること

    ベッドの上で頭を横にして休む黒いフレンチブルドッグ

    確認できた自宅ケアは「拭く」「乾かす」「毛を短くする」の3つです。 着色を消すためではなく、濡れた状態が続くことで起きる皮膚トラブルを防ぐためのものと考えてください。

    米国の大手動物病院チェーンの飼い主向け解説でも、この3点が基本として挙げられています。

    • 目の周りを清潔に保つ(拭く)
    • 拭いたあとは乾いた状態に保つ(乾かす)
    • 目の周りの被毛を短くカットする

    フレンチブルドッグは短毛なので、3つ目はほとんど関係ありません。そのぶん、「乾かす」の比重が、どの犬種よりも大きくなります。 とくに鼻のシワです。

    拭き取りは、乾いた被毛をこするのではなく、湿らせて汚れをふやかしてから、力を入れずに押さえるように 行います。目に液体が入らないよう、目頭から外側に向けて動かしてください。

    鼻のシワは、軽く広げて、内側まで水分を取ってください。 シワの内側は空気が通らず、拭いたつもりでも湿ったままになります。ここが濡れたままだと、着色より先に皮膚炎が起きます。

    そして、拭いたあとに乾かすところまでが1セット です。

    濡れたまま放置するとどうなるかは、別の記事にまとめています。

    あわせて読みたい 涙やけはお手入れ不足で悪化!原因をわかりやすく解説! →

    CLEAR WATER を使う場合の手順

    当店の CLEAR WATER をお使いの場合は、次の手順です。

    1. コットンを指先大にちぎる
    2. ひたひたになるまでスプレーする
    3. コットンを軽く絞りながら、目の周りを優しくマッサージするように拭く
    4. 鼻のシワは、軽く広げて内側まで拭く
    5. 清潔なコットンで水気を拭き取り、シワの内側まで乾いた状態にする
    6. 涙の量に応じて回数を調整する

    着色を消すための工程ではありません。 涙が付着している時間を短くするための工程です。すでに色のついた毛は元に戻りません。だからこそ、今ある色が薄くなるのを待つのではなく、これ以上濃くしないために毎日続けます。 拭かなかった日のぶんだけ、新しい着色が積み重なります。

    やってはいけないこと

    目のすぐそばを、自分でハサミやバリカンで触らないでください。 フレンチブルドッグは目が前に出ていて、角膜との距離が近く、傷ができても痛がりません。シワの毛が気になるときは、動物病院かトリマーにお願いしてください。

    過酸化水素(オキシドール)を含む製品を目の周りに使わないでください。 米国の大手動物病院チェーンの解説が、明確に警告しています。

    鼻のシワに、乾かさないまま保湿クリームや軟膏を塗り込まないでください。 湿った状態を閉じ込めることになります。シワの赤みやにおいが続くなら、市販品で対処せず、皮膚炎として診てもらう段階です。

    点眼薬は、以前に処方されたものであっても獣医師の指示なく使わないでください。 フレンチブルドッグでは角膜に傷がある可能性が高く、種類によっては傷を悪化させます。人間用の目薬も同様です。

    「白くなる」と謳うサプリには注意が必要です。 2014年8月、米国の食品医薬品局(FDA)は涙やけ製品を販売する3社に警告書を発出しました。一部の製品にタイロシン酒石酸塩という抗菌性物質が含まれていたためです。FDAは、タイロシンは犬・猫のいかなる用途にも承認されていないと明言しています。より大きな問題は、原因を診断しないまま着色だけを消してしまうと、角膜の異常という見逃してはいけないサインを覆い隠してしまう ことです。

    よくある質問

    Q. フレンチブルドッグは涙やけになりやすい犬種ですか?

    なりやすい理由が、はっきり文献にある犬種です。健康なフレンチブルドッグ50頭を調べた研究では、涙の量は多いのに涙の膜が崩れるまでの時間が短頭種でない犬の約半分でした。CTの研究では涙の通り道が逆U字に曲がり、坂を上る形になっていました。涙が「多く出て」「抜けにくい」の両方 がそろっています。

    Q. 涙が多いのに「ドライアイ」と言われました。矛盾していませんか?

    矛盾していないようです。前述の研究では、涙の量はむしろ多く、目にたまっている涙は約2倍でした。足りていなかったのは涙の膜を保つ油で、膜が早く崩れて目の表面が乾き、その刺激でさらに涙が出ます。著者らは、健康とされた 全頭に蒸発亢進型ドライアイの所見があった と報告しています。

    Q. ブリンドルなので涙やけは見えません。気にしなくていいですか?

    見えないだけで、起きていることは同じです。着色は毛の色の問題ですが、涙がこぼれて濡れた状態が続くこと、鼻のシワに涙がたまることは毛色に関係なく起きます。シワの内側の赤み・におい、目の充血や濁り で判断してください。

    Q. 鼻のシワが赤くなってにおいます。涙やけと関係ありますか?

    関係している可能性があります。こぼれた涙はシワに流れ込み、シワの内側は乾きません。英国の一次診療の研究では、フレンチブルドッグは皮膚のシワの皮膚炎になる確率が他の犬種の11.18倍でした。赤み・におい・ただれがあれば、受診してください。

    Q. 痛がっていないので様子を見ても大丈夫ですか?

    短頭種は角膜の感覚が鈍いことが知られています。フレンチブルドッグは角膜に傷ができる確率が他の犬種の4.38倍という報告があり、しかも痛がるサインが出にくい犬種です。痛がらないことは無事である根拠になりません。 白目の充血、角膜の白い濁り、目やにの変化といった見た目の変化で判断してください。

    Q. フードを変えれば涙やけは減りますか?

    通常のドッグフードが涙やけを引き起こすことを示した対照試験は、確認できませんでした。フレンチブルドッグの場合、涙の質と通り道の形という説明のつく原因があります。アレルギーが疑われる子では意味を持つことがありますが、それは獣医師が原因を絞り込んだうえでの選択肢です。

    まとめ

    • 健康なフレンチブルドッグ50頭の研究では、涙の量は多く、たまっている涙は約2倍。それなのに膜がもつ時間は約半分(7.39秒 対 14.74秒)。油を出す腺の欠損率も高い
    • 著者らは、健康とされた 全頭に蒸発亢進型ドライアイの所見があった としています。「涙が多い」と「目が乾く」は同時に起きます
    • CTでは、涙の通り道が 逆U字に曲がって坂を上る形。61.1%で上顎の犬歯の根の下を横切っていました。ただし詰まってはおらず、途中のバイパスが排水を引き受けています
    • まぶたが閉じきらず、目頭側が巻き込み、鼻のシワの毛が目に当たる。皮膚のシワの皮膚炎は他の犬種の11.18倍、鼻のシワがある犬の角膜潰瘍リスクは約5倍
    • 角膜に傷ができる確率は他の犬種の4.38倍。 短頭種は角膜の感覚が鈍く、痛がるサインが出にくい
    • ブリンドルの子は着色が見えないだけで、起きていることは同じ。シワの赤み・におい、目の充血や濁り で判断する
    • 自宅でできるのは「拭く・乾かす」。短毛なので毛の話はほぼなく、鼻のシワの内側まで乾かす ことがすべてです

    涙やけは見た目の問題として語られがちですが、フレンチブルドッグの場合、その下で角膜が消耗し、シワの皮膚が炎症を起こしていることがあります。目の色や濁りの変化、シワのにおいに気づいたら、涙やけとは切り離して受診してください。

    参考文献

    • Spornberger J, Soukup P, Meyer-Lindenberg A, Allgoewer I. Tear film characteristics in French bulldogs vs. non-brachycephalic dogs. Front Vet Sci. 2025;12:1732237. doi:10.3389/fvets.2025.1732237(健康なフレンチブルドッグ50頭と短頭種でない犬30頭の涙液を比較した研究)
    • Sahr S, Dietrich A, Oechtering G. Evaluating malformations of the lacrimal drainage system in brachycephalic dog breeds: A comparative computed tomography analysis. PLoS ONE. 2021;16(9):e0257020. doi:10.1371/journal.pone.0257020(短頭種51頭の涙の排出路をCTで解析した研究)
    • O’Neill DG, Packer RMA, Francis P, Church DB, Brodbelt DC, Pegram C. French Bulldogs differ to other dogs in the UK in propensity for many common disorders: a VetCompass study. Canine Med Genet. 2021;8:13. doi:10.1186/s40575-021-00112-3(フレンチブルドッグ2,781頭と他の犬種21,850頭の比較)
    • O’Neill DG, Baral L, Church DB, Brodbelt DC, Packer RMA. Demography and disorders of the French Bulldog population under primary veterinary care in the UK in 2013. Canine Genet Epidemiol. 2018;5:3. doi:10.1186/s40575-018-0057-9(フレンチブルドッグ2,228頭の病気と毛色の記録)
    • O’Neill DG, Lee MM, Brodbelt DC, Church DB, Sanchez RF. Corneal ulcerative disease in dogs under primary veterinary care in England: epidemiology and clinical management. Canine Genet Epidemiol. 2017;4:5. doi:10.1186/s40575-017-0045-5(イングランドの一次診療10万4,233頭の解析)
    • Packer RMA, Hendricks A, Burn CC. Impact of Facial Conformation on Canine Health: Corneal Ulceration. PLOS ONE. 2015;10(5):e0123827. doi:10.1371/journal.pone.0123827(700頭を対象に顔の形と角膜潰瘍の関係を調べた研究)
    • Ophthalmic disorders in a referral population of seven breeds of brachycephalic dogs: 970 cases (2008–2017). J Am Vet Med Assoc. 2021;259(11).(PMID: 34727059。要旨のみ確認)
    • Plummer CE. Understanding and Addressing Brachycephalic Ocular Syndrome. Today’s Veterinary Practice, 2026.(米国の獣医眼科専門医による短頭種の目の解説)
    • Eye Discharge or Epiphora in Dogs|VCA Animal Hospitals(米国の大手動物病院チェーン)
    • Tear Staining in Dogs|MedVet(米国の動物病院グループ)
    • FDA warns makers of unapproved tear stain products|AVMA / JAVMA News, 2014
    • FDA Warning Letter: Merit Pet Products, LLC(2017年5月12日)

    免責事項

    本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、診断ではありません。愛犬の症状については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。記載内容は執筆時点で確認できた情報にもとづいており、個々の犬に当てはまるとは限りません。

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    記事執筆者・監修者

    西尾 亮佑 西尾 亮佑
    西尾 亮佑

    【ペット業界15年以上】横浜ペットコミュニティ専門学院にてトリミング・訓練を学び、大手ペットショップ・ペットメーカーに勤務。数多くのペットショップ・トリミングサロン・動物病院を視察してきました。

    その中でペット業界の矛盾の多さや利益優先の姿勢に疑問を持ち、愛犬・愛猫の健康面を最優先に考える想いを貫くため2020年7月15日にDog&Cat CLEARを設立。愛猫21匹と愛犬2匹と暮らしながら『愛犬・愛猫の健康は飼い主が守る』を発信しています。

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