パグの涙やけ|涙の跡より先に、角膜の色を見てください
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海外の獣医学的に涙やけをどう捉えるのかをまとめて参照した内容となります!
これはこういうのはあった。これはどうだろう?という僕の経験則の部分はまた随時更新いたします!
- こんな人にオススメな内容
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- パグの目の下や鼻のシワが赤茶色くなって、拭いても戻らない
- 黒目に茶色や黒っぽい部分が広がってきた気がする
- 目が大きく、まばたきをしても閉じきっていないように見える
- 痛がっていないので、様子を見ていいのか迷っている
- パグの目には、涙やけより大事なことが起きています
- 涙があふれるしくみ:まぶた、まつ毛、シワ
- 涙の通り道は、犬種の中でいちばん鋭く曲がっています
- 角膜に傷ができる確率は、犬種の中で最も高い
- 鼻のシワと毛色
- 受診の目安チェックリスト
- 自宅でできること
- CLEAR WATER を使う場合の手順
- やってはいけないこと
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
- 免責事項
パグの目の下と鼻のシワが、赤茶色になっている。拭いても戻らない。それより、黒目に茶色っぽい部分が広がってきた気がする——そう検索してこのページにたどり着いた方に向けて書いています。
パグの涙やけについて、最初にお伝えしたいことがあります。
涙の跡より先に、角膜の色を見てください。 英国のパグ210頭を調べた研究では、91.9%の角膜に色素がついていました。涙やけは見た目の問題ですが、角膜の色は視界の問題です。
海外の獣医学的な情報源を確認したうえで、順に整理します。本文で触れている資料の出典は、すべて記事末尾の参考文献に挙げています。
先に結論だけお伝えします。
- 英国のパグ210頭(420眼)を調べた研究では、91.9%のパグで、少なくとも片目の角膜に色素沈着 がありました。91.2%は両目です。重症度は、目頭側の下まぶたの巻き込みの程度と関連していました
- ヨーロッパの獣医眼科専門医の団体の手引きでは、パグについて 目頭側の下まぶたの巻き込み、睫毛重生、鼻のシワの毛の当たり、まぶたが閉じきらないこと、ドライアイ、色素性角膜症 のすべてが「知られている」病気として載っています
- CTで涙の通り道を調べた研究では、パグの鼻涙管の曲がりは 59.7°と、調べた犬種の中でいちばん鋭く、涙は坂を上らされる形でした
- 角膜に傷ができる確率は 雑種犬の19.05倍。調べられた犬種の中で最も高い数字 です。英国の一次診療1万6,218頭の記録でも、目の潰瘍は他の犬種の13.01倍でした
- 短頭種は角膜の感覚が鈍く、痛がるサインが出にくい 犬種です
パグの目には、涙やけより大事なことが起きています

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい内容です。
英国の12か所のイベントに集まったパグ210頭(420眼)の目を、獣医眼科医が調べた研究(2019年)があります。結果は次のとおりでした。
- 角膜の色素沈着(色素性角膜炎)が、420眼のうち369眼(87.8%)に見つかった
- 少なくとも片目にあったパグは、210頭のうち193頭(91.9%)
- そのうち 91.2%は両目
- 程度は、軽度46.3%、中等度49.9%、重度3.8%
色素性角膜炎は、慢性的な刺激に対して角膜が黒っぽく変化したものです。軽いうちは目立ちませんが、進めば黒目の内側から色が広がり、視界を妨げます。
同じ研究では、年齢が上がるほど見つかりやすく、重症度は目頭側の下まぶたの巻き込み(内眼角眼瞼内反)の程度と関連していました。 一方で、鼻のシワの幅、まぶたの開きの長さ、睫毛重生とは有意な関連がありませんでした。つまり、パグの角膜を刺激している中心は、下まぶたの目頭側が内側に巻き込んで、毛が角膜に当たり続けていること だと考えられます。
10頭に9頭。これは「病気のパグ」の数字ではなく、イベントに来た普通のパグの数字です。だから、パグの飼い主さんには、涙やけを見るたびに 黒目の色も一緒に見る 習慣をつけてほしいのです。
涙があふれるしくみ:まぶた、まつ毛、シワ

パグの涙やけは、原因が1つではありません。
ヨーロッパの獣医眼科専門医の団体(ECVO)が犬種ごとに遺伝性・好発の目の病気をまとめた手引きの2021年版で、パグの項に「知られている」病気として載っているものを並べます。
- 目頭側の下まぶたの巻き込み(マクロブレファロンに伴う)。涙の出口(涙点)の上にまぶたが乗り、涙が出口に届きません
- 睫毛重生。本来ない場所からまつ毛が生え、角膜の傷につながることがあります
- 鼻のシワと目頭の毛の当たり(睫毛乱生)。シワの毛が角膜に触れ続けます
- 露出性角膜症。まぶたが閉じきらず(兎眼)、角膜の中央が乾きます
- ドライアイ(乾性角結膜炎)。3〜5歳の雌に多いと記載されています
- 色素性角膜症。上で書いた角膜の色素沈着です
フロリダ大学獣医学部の Caryn E. Plummer 教授(米国獣医眼科専門医)は、これらをまとめて「短頭種眼症候群」と呼んでいます。英国の動物福祉団体(UFAW)の資料は、パグについて「おそらくすべてのパグが、程度の差はあれこの状態を持っている」と書いています。
流れとしては、こうです。まぶたが閉じきらないので角膜が乾く。乾いた刺激と、シワの毛の刺激で、涙が増える。増えた涙は、巻き込んだまぶたにふさがれた出口から抜けられない。「乾く」と「あふれる」が、同時に起きています。 涙やけだけを見て「涙が多すぎる」と考えると、乾いている側を見落とします。
同じ構造は、シーズーの記事で50頭の研究をもとに詳しく書いています。
あわせて読みたい シーズーの涙やけ対策|短頭種だから起きる目のしくみ →まぶたが閉じきらない目は、冬の暖房の乾いた風でとくに乾きます。冬の対策は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい 冬の涙やけ|暖房の乾いた風・残るダニ・寒い外気——12〜2月に「目やにが粘る」なら涙が減った側を疑ってください →涙の通り道は、犬種の中でいちばん鋭く曲がっています

「短頭種は鼻涙管が曲がっていて詰まりやすい」という説明をよく見かけます。CTで実際に測った研究があります。
ドイツのチームが、パグ23頭、フレンチブルドッグ18頭、イングリッシュブルドッグ10頭と、正常な頭の形の犬6頭 について、造影CTで涙の通り道を三次元的に再構成しました。
| 項目 | パグ | フレンチブルドッグ | イングリッシュブルドッグ | 正常な頭の形の犬 |
|---|---|---|---|---|
| 鼻涙管の曲がる角度 | 59.7° | 80.4° | 84.3° | 112.0° |
| 上顎の犬歯の根の下を横切る個体 | 31.8% | 61.1% | — | — |
出典:Sahr らの研究(2021年)。角度は平均値
パグの曲がりは59.7°と、3犬種の中でいちばん鋭い数字でした。 管は短く押しつぶされ、通り道は逆U字に曲がり、涙は坂を上らされています。
ただし、詰まってはいませんでした。 鼻涙管の途中には「副開口部」という別の出口があり、短頭種51頭のうち50頭(98%)で確認されています。この出口は正常な頭の形の犬にも全頭にある構造で、違ったのはその使われ方でした。短頭種の54%では、本来の出口がほとんど機能せず、この副開口部が涙の唯一の出口 になっていました。
パグの涙が抜けにくいのは「詰まっている」からではなく、出口が本来の場所になく、通り道がいちばん急な坂道になっている からだと理解しておくと、この先の話がつながります。
同じことは猫でも起きています。鼻の低いペルシャでは、涙の通り道と犬歯の根の距離が普通の猫の約5mmから約1mmまで縮み、涙は重力に逆らって流れる形でした。
あわせて読みたい ペルシャの涙やけ|涙が重力に逆らう顔のつくりと、黒目の茶色いサイン →研究の全体像は、犬全体の記事にまとめています。
あわせて読みたい 犬の涙やけの原因は?海外の獣医学的な根拠と受診の目安を解説 →角膜に傷ができる確率は、犬種の中で最も高い

イングランドの一次診療施設10万4,233頭ぶんの記録を解析した研究によると、角膜に傷(角膜潰瘍)ができる確率は、パグで雑種犬の19.05倍 でした。ボクサー(12.12倍)、シーズー(10.04倍)を抑えて、調べられた犬種の中で最も高い数字です。短頭種全体では11.18倍でした。
別の研究では、英国の一次診療の記録からパグ1万6,218頭と他の犬種88万9,326頭を比較し、パグは 目の潰瘍が13.01倍、皮膚のシワの感染が10.98倍 でした。呼吸の病気(53.92倍)、鼻の穴の狭さ(51.25倍)に次ぐ高さです。
そして、700頭を対象に顔の形と角膜の傷の関係を調べた研究では、鼻のシワがある犬は、ない犬に比べて角膜潰瘍のリスクが約5倍 でした。
より怖いのはここです。
短頭種は、角膜の感覚が鈍いことが知られています。 角膜に傷ができても、痛みに気づくのが遅れます。痛がっていないことは、無事である根拠になりません。
「涙やけが気になる」で来院したパグの目に、すでに傷や色素沈着が起きていることは、珍しくないということです。
鼻のシワと毛色

パグでは、こぼれた涙は目の下で止まらず、鼻のシワに流れ込みます。シワの内側は空気が通らないので、乾きません。皮膚のシワの感染が他の犬種の10.98倍という数字は、ここから来ています。
毛色は、フォーン(黒いマスク付き)とブラックが主です。フォーンの子は、目の下の淡い毛に赤茶色の着色が目立ちます。ブラックの子は、同じことが起きていても着色は見えません。見えないだけで、起きていることは同じです。
だから、ブラックの子は「涙やけがないから大丈夫」ではなく、シワの内側の赤み・におい、白目の充血、黒目の色で判断してください。逆にフォーンの子で着色が目立っても、それ自体は毛の色の問題です。慌てて消そうとする前に、角膜とシワを確認してください。
鼻のシワの扱いは、ペキニーズの記事でも同じ研究を引いて書いています。
あわせて読みたい ペキニーズの涙やけ|鼻のシワと目のしくみ、緊急のサイン →「角膜の色を見る」習慣は、ボストンテリアでも同じです。この犬種では、5〜9歳から角膜が青白く曇る角膜ジストロフィーが「知られている」病気として手引きに載っています。
あわせて読みたい ボストンテリアの涙やけ|白い口まわりの跡と、5〜9歳から曇る角膜 →イングリッシュ・ブルドッグでは、英国の記録でチェリーアイが他の犬の26.79倍、ドライアイが12.24倍でした。涙やけの手前で何が起きているかは、こちらにまとめています。
あわせて読みたい ブルドッグの涙やけと目の病気|チェリーアイ27倍・ドライアイ12倍、英国の記録が示すこと →受診の目安チェックリスト
ひとつでも当てはまれば、動物病院にご相談ください。痛がっているかどうかで判断しないでください。
- 黒目に茶色や黒っぽい部分がある、広がってきた
- 白目が充血している
- 角膜が白っぽく濁っている、もやがかかって見える
- 目を細めている・開けにくそうにしている
- 前足で目をこする、床や家具に顔をこすりつける
- まばたきをしても、目が閉じきっていないように見える
- 片目だけに症状が出ている
- 急に涙の量が増えた
- 目やにが粘り気を帯びてきた、黄色〜緑色の膿のような目やにが出る
- 鼻のシワの内側が赤い、ただれている、においがする
- 物にぶつかる、段差を怖がるなど見えにくそうな様子がある
自宅でできること

確認できた自宅ケアは「拭く」「乾かす」「毛を短くする」の3つです。 着色を消すためではなく、濡れた状態が続くことで起きる皮膚トラブルを防ぐためのものと考えてください。
米国の大手動物病院チェーンの飼い主向け解説でも、この3点が基本として挙げられています。
- 目の周りを清潔に保つ(拭く)
- 拭いたあとは乾いた状態に保つ(乾かす)
- 目の周りの被毛を短くカットする
パグは短毛なので、3つ目はほとんど関係ありません。そのぶん、「乾かす」の比重が大きくなります。 とくに鼻のシワです。
拭き取りは、乾いた被毛をこするのではなく、湿らせて汚れをふやかしてから、力を入れずに押さえるように 行います。目に液体が入らないよう、目頭から外側に向けて動かしてください。パグは目が前に出ているので、コットンの端が角膜に触れないように、目から離れたところから始めてください。
鼻のシワは、軽く広げて、内側まで水分を取ってください。 シワの内側は空気が通らず、拭いたつもりでも湿ったままになります。ここが濡れたままだと、着色より先に皮膚の感染が起きます。
そして、拭いたあとに乾かすところまでが1セット です。
濡れたまま放置するとどうなるかは、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい 涙やけはお手入れ不足で悪化!原因をわかりやすく解説! →CLEAR WATER を使う場合の手順
当店の CLEAR WATER をお使いの場合は、次の手順です。
- コットンを指先大にちぎる
- ひたひたになるまでスプレーする
- コットンを軽く絞りながら、目から離れたところから目の周りを優しくマッサージするように拭く
- 鼻のシワは、軽く広げて内側まで拭く
- 清潔なコットンで水気を拭き取り、シワの内側まで乾いた状態にする
- 涙の量に応じて回数を調整する
着色を消すための工程ではありません。 涙が付着している時間を短くするための工程です。すでに色のついた毛は元に戻りません。だからこそ、今ある色が薄くなるのを待つのではなく、これ以上濃くしないために毎日続けます。 拭かなかった日のぶんだけ、新しい着色が積み重なります。
ただし、繰り返しになりますが、角膜の色や濁りは、拭いても変わりません。 お手入れと受診は、別の話として両方してください。
やってはいけないこと
目のすぐそばを、自分でハサミやバリカンで触らないでください。 パグは目が前に出ていて、角膜との距離が近く、傷ができても痛がりません。シワの毛が気になるときは、動物病院かトリマーにお願いしてください。
「黒目の色は年のせい」と決めないでください。 色素性角膜炎は年齢とともに見つかりやすくなりますが、進行を抑える治療は動物病院で行えます。広がってから受診するより、気づいた時点で診てもらう方が選択肢が多く残ります。
過酸化水素(オキシドール)を含む製品を目の周りに使わないでください。 米国の大手動物病院チェーンの解説が、明確に警告しています。
鼻のシワに、乾かさないまま保湿クリームや軟膏を塗り込まないでください。 湿った状態を閉じ込めることになります。シワの赤みやにおいが続くなら、市販品で対処せず、皮膚の感染として診てもらう段階です。
点眼薬は、以前に処方されたものであっても獣医師の指示なく使わないでください。 パグでは角膜に傷がある可能性が高く、種類によっては傷を悪化させます。人間用の目薬も同様です。
「白くなる」と謳うサプリには注意が必要です。 2014年8月、米国の食品医薬品局(FDA)は涙やけ製品を販売する3社に警告書を発出しました。一部の製品にタイロシン酒石酸塩という抗菌性物質が含まれていたためです。FDAは、タイロシンは犬・猫のいかなる用途にも承認されていないと明言しています。より大きな問題は、原因を診断しないまま着色だけを消してしまうと、角膜の異常という見逃してはいけないサインを覆い隠してしまう ことです。
よくある質問
Q. パグは涙やけになりやすい犬種ですか?
なりやすい理由が、どの犬種よりはっきり文献にある犬種です。ECVOの手引きでは、目頭側の下まぶたの巻き込み、睫毛重生、鼻のシワの毛の当たり、まぶたが閉じきらないこと、ドライアイのすべてが「知られている」病気として載っています。CTの研究では、涙の通り道の曲がりが調べた犬種の中でいちばん鋭く、涙が抜けにくい形でした。
Q. 黒目に茶色っぽい部分があります。涙やけと関係ありますか?
涙やけとは別の話で、こちらの方が大事です。 角膜に色素がつく「色素性角膜炎」で、英国のパグ210頭を調べた研究では91.9%に見つかりました。慢性的な刺激に対して角膜が黒っぽく変化したもので、進めば視界を妨げます。重症度は目頭側の下まぶたの巻き込みの程度と関連していました。気づいたら、涙やけとは切り離して受診してください。
Q. 痛がっていないので様子を見ても大丈夫ですか?
短頭種は角膜の感覚が鈍いことが知られています。パグは角膜に傷ができる確率が雑種犬の19.05倍と、調べられた犬種の中で最も高く、しかも痛がるサインが出にくい犬種です。痛がらないことは無事である根拠になりません。 白目の充血、角膜の白い濁り、黒目の色の変化といった見た目の変化で判断してください。
Q. 鼻のシワが赤くなってにおいます。涙やけと関係ありますか?
関係している可能性があります。こぼれた涙はシワに流れ込み、シワの内側は乾きません。英国の一次診療の研究では、パグは皮膚のシワの感染になる確率が他の犬種の10.98倍でした。鼻のシワがある犬は角膜潰瘍のリスクが約5倍という研究もあります。赤み・におい・ただれがあれば、受診してください。
Q. 涙が多いのに「目が乾いている」と言われました。
矛盾していないようです。パグでは、まぶたが閉じきらないことで角膜の中央が乾き、乾いた刺激で涙が増えます。加えて、ECVOの手引きではドライアイが3〜5歳の雌に多いと記載されています。「乾く」と「あふれる」は同時に起きます。
Q. フードを変えれば涙やけは減りますか?
通常のドッグフードが涙やけを引き起こすことを示した対照試験は、確認できませんでした。パグの場合、まぶた・まつ毛・シワ・涙の通り道という、診察で確認できる原因がそろっています。フードの見直しは、獣医師が原因を絞り込んだうえでの選択肢です。
まとめ
- 英国のパグ210頭の研究では、91.9%の角膜に色素沈着。91.2%は両目。重症度は目頭側の下まぶたの巻き込みと関連。涙やけを見るたびに、黒目の色も一緒に見る
- ECVOの手引きでは、まぶたの巻き込み・睫毛重生・シワの毛の当たり・閉じきらないまぶた・ドライアイ・色素性角膜症 のすべてが「知られている」病気。「乾く」と「あふれる」が同時に起きる
- CTでは、涙の通り道の曲がりが 59.7°と、調べた犬種の中でいちばん鋭い。ただし詰まってはおらず、途中のバイパスが排水を引き受けている
- 角膜に傷ができる確率は 雑種犬の19.05倍で、調べられた犬種の中で最も高い。目の潰瘍13.01倍、皮膚のシワの感染10.98倍という記録もある
- 短頭種は角膜の感覚が鈍く、痛がるサインが出にくい。 痛がらないことを安心の根拠にしない
- ブラックの子は着色が見えないだけで、起きていることは同じ。シワの赤み・におい、充血、黒目の色で判断する
- 自宅でできるのは「拭く・乾かす」。パグでは 鼻のシワの内側まで乾かす ことがすべて。角膜の色は、拭いても変わらない
涙やけは見た目の問題として語られがちですが、パグの場合、その下で角膜が消耗していることが10頭に9頭という頻度で起きています。黒目の色の変化に気づいたら、涙やけとは切り離して受診してください。
参考文献
- Maini S, Everson R, Dawson C, Chang YM, Hartley C, Sanchez RF. Pigmentary keratitis in pugs in the United Kingdom: prevalence and associated features. BMC Vet Res. 2019;15:384. doi:10.1186/s12917-019-2127-y(英国のパグ210頭・420眼を調べた研究)
- O’Neill DG, Lee MM, Brodbelt DC, Church DB, Sanchez RF. Corneal ulcerative disease in dogs under primary veterinary care in England: epidemiology and clinical management. Canine Genet Epidemiol. 2017;4:5. doi:10.1186/s40575-017-0045-5(イングランドの一次診療10万4,233頭の解析。パグ19.05倍)
- O’Neill DG, Sahota J, Brodbelt DC, Church DB, Packer RMA, Pegram C. Health of Pug dogs in the UK: disorder predispositions and protections. Canine Med Genet. 2022;9:4. doi:10.1186/s40575-022-00117-6(パグ1万6,218頭と他の犬種88万9,326頭の比較)
- Sahr S, Dietrich A, Oechtering G. Evaluating malformations of the lacrimal drainage system in brachycephalic dog breeds: A comparative computed tomography analysis. PLoS ONE. 2021;16(9):e0257020. doi:10.1371/journal.pone.0257020(短頭種51頭の涙の排出路をCTで解析した研究)
- Packer RMA, Hendricks A, Burn CC. Impact of Facial Conformation on Canine Health: Corneal Ulceration. PLOS ONE. 2015;10(5):e0123827. doi:10.1371/journal.pone.0123827(700頭を対象に顔の形と角膜潰瘍の関係を調べた研究)
- ECVO Manual: Breeds 2021 – Pug|European College of Veterinary Ophthalmologists(ヨーロッパの獣医眼科専門医団体による犬種別の遺伝性・好発眼疾患の手引き)
- Pug – Brachycephalic Ocular Syndrome|UFAW(英国の動物福祉団体による犬種別資料)
- Plummer CE. Understanding and Addressing Brachycephalic Ocular Syndrome. Today’s Veterinary Practice, 2026.(米国の獣医眼科専門医による短頭種の目の解説)
- Eye Discharge or Epiphora in Dogs|VCA Animal Hospitals(米国の大手動物病院チェーン)
- Tear Staining in Dogs|MedVet(米国の動物病院グループ)
- FDA warns makers of unapproved tear stain products|AVMA / JAVMA News, 2014
- FDA Warning Letter: Merit Pet Products, LLC(2017年5月12日)
免責事項
本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、診断ではありません。愛犬の症状については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。記載内容は執筆時点で確認できた情報にもとづいており、個々の犬に当てはまるとは限りません。
記事執筆者・監修者
- 西尾 亮佑
-
【ペット業界15年以上】横浜ペットコミュニティ専門学院にてトリミング・訓練を学び、大手ペットショップ・ペットメーカーに勤務。数多くのペットショップ・トリミングサロン・動物病院を視察してきました。
その中でペット業界の矛盾の多さや利益優先の姿勢に疑問を持ち、愛犬・愛猫の健康面を最優先に考える想いを貫くため2020年7月15日にDog&Cat CLEARを設立。愛猫21匹と愛犬2匹と暮らしながら『愛犬・愛猫の健康は飼い主が守る』を発信しています。