犬猫に安全な観葉植物・花の一覧|ASPCA が「無毒」とする植物と、それでも気をつける4つのこと
- こんな人にオススメな内容
-
- 猫や犬がいる家で、安心して置ける観葉植物を知りたい
- 花を飾りたいが、どの花なら大丈夫か分からない
- 「無毒」の植物でも、食べて吐いたことがある
- 植物の名前が似ていて、有毒か無毒か迷う
- 「無毒」の意味
- 観葉植物:ASPCAが「犬に無毒・猫に無毒」とするもの
- 切り花:ASPCAがペットに安全な花束の花として挙げるもの
- 名前が似ていて、危険なもの
- 植物が無毒でも、気をつける4つのこと
- ASPCA のデータベースの使い方
- 受診の目安
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
- 免責事項
猫や犬がいる家で、安心して置ける観葉植物を知りたい。花を飾りたいが、どの花なら大丈夫か分からない——そう検索してこのページにたどり着いた方に向けて書いています。
当店には21匹の猫と2匹の犬がいます。うちは、植物を置くのをやめました。それでも「置きたい」「飾りたい」という家のために、この記事は、「危険な植物」の記事の裏側として、かじっても中毒を起こさないとされる植物 を、米国動物虐待防止協会(ASPCA)の中毒情報データベースの記載で整理したものです。
最初に、いちばん大事なことをお伝えします。
「無毒」は「食べても平気」ではありません。 ASPCAは、ペットに安全とされる植物について、本来の食事ではないので食べれば軽い胃腸症状を起こしうる、と書いています。無毒の植物は「かじっても中毒にならない」という保険です。
本文で触れている資料の出典は、すべて記事末尾の参考文献に挙げています。
先に結論だけお伝えします。
- ASPCAが 「犬に無毒・猫に無毒」 と記載する観葉植物:オリヅルラン、アレカヤシ、テーブルヤシ、ボストンファーン、カラテア、マランタ、ペペロミア、ホヤ、エケベリア、ハオルチア、パキラ
- ASPCAがペットに安全な花束の花として挙げる切り花:バラ、ガーベラ、ヒマワリ、ラン、キンギョソウ、フリージア、スターチス、マダガスカルジャスミン、ストック、ワックスフラワー、トルコギキョウ
- ASPCA:「これらは安全とされるが、本来の食事の一部ではないので、食べれば軽い胃腸症状を起こしうる」
- 学名で確かめる。 「ヤシ」「シダ」「リリー」「多肉」のくくりでは判断できない。ソテツはヤシではなく、犬猫とも肝不全の有毒植物
- 植物が無毒でも、農薬・肥料・土・トゲ・食べすぎ は別の問題
「無毒」の意味

ASPCAの中毒情報データベースは、植物ごとに「Toxic to Dogs / Non-Toxic to Dogs」「Toxic to Cats / Non-Toxic to Cats」を記載しています。「Non-Toxic(無毒)」は、その植物に、犬猫に中毒を起こす成分が知られていない、という意味です。
ただ、同じASPCAが、こう書いています。
「これらの植物はペットに安全と考えられているが、ペットの通常の食事の一部ではないため、食べれば軽い胃腸症状を起こしうる。花束は手の届かないところに置くのが最善である。」
つまり、この記事の植物は「置いても、かじられても、中毒の心配をしなくていい植物」であって、「食べさせていい植物」ではありません。
観葉植物:ASPCAが「犬に無毒・猫に無毒」とするもの

学名と一緒に載せます。園芸店のラベルの学名と、照らし合わせてください。
| 植物(日本での呼び名) | 学名(ASPCAの記載) | 科 | ASPCAの記載 |
|---|---|---|---|
| オリヅルラン(スパイダープラント) | Chlorophytum comosum | キジカクシ科 | 犬に無毒・猫に無毒 |
| アレカヤシ | Dypsis lutescens | ヤシ科 | 犬に無毒・猫に無毒・馬に無毒 |
| テーブルヤシ(パーラーパーム) | Chamaedorea elegans | ヤシ科 | 犬に無毒・猫に無毒 |
| バンブーパーム | Chamaedorea elegans | ヤシ科 | 犬に無毒・猫に無毒・馬に無毒 |
| ボストンファーン(ネフロレピス) | Nephrolepis exaltata bostoniensis | シダ | 犬に無毒・猫に無毒 |
| カラテア | Calathea spp. | クズウコン科 | 犬に無毒・猫に無毒・馬に無毒 |
| マランタ(プレイヤープラント) | Calathea insignis(ASPCAの表記) | クズウコン科 | 犬に無毒・猫に無毒・馬に無毒 |
| ペペロミア | Peperomia obtusifolia | コショウ科 | 犬に無毒・猫に無毒 |
| ホヤ(サクララン) | Hoya carnosa | ガガイモ科 | 犬に無毒・猫に無毒 |
| エケベリア | Echeveria elegans | ベンケイソウ科 | 犬に無毒・猫に無毒・馬に無毒 |
| ハオルチア | Haworthia species | — | 犬に無毒・猫に無毒 |
| パキラ(マネーツリー) | Pachira aquatica | アオイ科 | 犬に無毒・猫に無毒・馬に無毒 |
新しく迎えるなら、この一覧の中から、ラベルの学名を確かめて選んでください。なお、無毒の植物でも、かじられた葉は見た目が悪くなります。高い場所に置くのは「猫のため」というより「植物のため」と考えると、置き場所の判断が楽になります。
切り花:ASPCAがペットに安全な花束の花として挙げるもの

ASPCAの母の日の花束についての記事は、ペットに安全な花として、次を挙げています。
- バラ
- ガーベラ
- ヒマワリ
- ラン
- キンギョソウ
- フリージア
- スターチス(リモニウム)
- マダガスカルジャスミン
- ストック
- ワックスフラワー
- トルコギキョウ(リシアンサス)
同じ記事が、上に引用した「本来の食事ではないので、食べれば軽い胃腸症状を起こしうる。花束は手の届かないところに」という注意を添えています。
そして、花束でいちばん大事なことは、中に何が入っているかを、全部確かめること です。バラの花束に、添え花としてユリが入っていることは珍しくありません。ユリは、猫にとって、花粉と花瓶の水でも腎不全を起こす植物です。バラの茎のトゲも、口を傷つけます。花束は、飾る前に、1本ずつ見てください。
危険な花と植物の一覧は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい 今すぐ確認!猫が中毒を起こす危険な観葉植物 →名前が似ていて、危険なもの

「ヤシ」「シダ」「リリー」「多肉」——大きなくくりで判断すると、間違えます。学名で確かめてください。
| くくり | 無毒とされるもの | 有毒なもの |
|---|---|---|
| 「ヤシ」 | アレカヤシ、テーブルヤシ、バンブーパーム | ソテツ(サゴヤシ):ヤシではない。犬猫とも肝不全から死亡に至る |
| 「シダ」 | ボストンファーン | アスパラガスファーン:シダではない。皮膚炎・胃腸症状 |
| 「リリー」 | — | ユリ(ユリ科):猫に腎不全。スパティフィラム(ピースリリー):シュウ酸カルシウム。スズラン:心臓の毒 |
| 「多肉」 | エケベリア、ハオルチア | カランコエ、アロエ:有毒 |
| 「アイビー」 | — | ヘデラ(イングリッシュアイビー):嘔吐・腹痛・下痢 |
| 「観葉の定番」 | パキラ、オリヅルラン | ポトス・モンステラ・ディフェンバキア・ドラセナ・サンセベリア・シェフレラ・フィカス:有毒 |
「ソテツはヤシ」「多肉は安全」「シダは安全」——どれも、そのままでは危険です。
植物が無毒でも、気をつける4つのこと

1つ目、農薬・害虫スプレー・肥料。 植物が無毒でも、かけたものは無毒ではありません。園芸店の植物は、害虫対策の薬剤がかかっていることがあります。迎えたら、葉を拭き、しばらく猫犬の届かない場所で様子を見てから置く。肥料は、猫が掘って食べることがあります。置き肥は避け、液肥は吸収されてから。
2つ目、土とハイドロボール。 掘って食べる犬猫がいます。土の表面を、化粧石や、猫が嫌う質感のもので覆う。ハイドロカルチャーのボールは、飲み込むと腸に詰まることがあります。
3つ目、トゲ。 サボテンは無毒とされる種類が多いのですが、トゲは目と口を傷つけます。バラの茎も同じです。「無毒」と「安全」は、ここでも別です。
4つ目、食べすぎ。 無毒の草でも、大量に食べれば吐きます。猫は、草を食べて毛玉を吐くことがあります。それ自体は病気ではありませんが、毎日吐く、食べた草が出てこない、元気がない、なら受診です。猫草(燕麦や小麦の若葉として猫用に売られているもの)を置いて、そちらを食べてもらう のは、観葉植物を守る方法としても、ひとつの答えです。
ASPCA のデータベースの使い方

英語のサイトですが、使い方は簡単です。
- 植物のラベル、園芸店の表示、花屋の札から、学名(ラテン語の2語) を確かめる
- ASPCAの「Toxic and Non-Toxic Plants」で、学名を検索する
- 出てきたページの 「Toxic to Dogs / Non-Toxic to Dogs」「Toxic to Cats / Non-Toxic to Cats」 を見る
- 有毒なら、「Toxic Principles(有毒成分)」「Clinical Signs(症状)」 も見ておく
日本名で検索しても出ないことがあります。学名が鍵です。同じ「〇〇」でも、種類で有毒・無毒が分かれることがあるので、属名だけでなく種名まで合わせてください。
受診の目安

無毒とされる植物でも、こういうときは受診してください。
- 食べたあと、嘔吐や下痢が続く、元気がない、食欲がない
- 土やハイドロボール、鉢の底石を飲み込んだ
- トゲが目や口に刺さった、目を細めている、よだれが止まらない
- 農薬・害虫スプレーをかけた植物をかじった
- 何の植物か分からないものを食べた
植物の名前が分かるもの(ラベル、写真、植物そのもの)を持っていってください。
よくある質問
Q. 犬猫に安全な観葉植物は何ですか?
ASPCAの中毒情報データベースで「犬に無毒・猫に無毒」と記載されているものとして、オリヅルラン(Chlorophytum comosum)、アレカヤシ(Dypsis lutescens)、テーブルヤシ(Chamaedorea elegans)、ボストンファーン(Nephrolepis exaltata)、カラテア(Calathea spp.)、マランタ、ペペロミア(Peperomia obtusifolia)、ホヤ(Hoya carnosa)、エケベリア(Echeveria elegans)、ハオルチア(Haworthia species)、パキラ(Pachira aquatica) があります。学名で確かめることが大事で、「ヤシ」「シダ」「多肉」といった大きなくくりで判断しないでください。
Q. 犬猫に安全な切り花は何ですか?
ASPCAがペットに安全な花束の花として挙げているのは、バラ、ガーベラ、ヒマワリ、ラン、キンギョソウ、フリージア、スターチス、マダガスカルジャスミン、ストック、ワックスフラワー、トルコギキョウです。ただし、花束にユリが添え花として入っていることが多いので、飾る前に全部の花を確かめてください。 ユリは猫にとって、花粉と花瓶の水でも腎不全を起こす植物です。
Q. 無毒の植物なら、食べても大丈夫ですか?
「中毒を起こさない」と「食べても平気」は違います。ASPCAは、ペットに安全とされる植物について「本来の食事の一部ではないので、食べれば軽い胃腸症状を起こしうる。花束は手の届かないところに置くのが最善」としています。無毒の植物は「かじっても中毒にならない」保険であって、食べさせるものではありません。
Q. 名前が似ていて、迷います。
学名で確かめてください。ソテツは「サゴヤシ」と呼ばれますがヤシではなく、犬猫とも肝不全から死亡に至る有毒植物です。アレカヤシやテーブルヤシとは別物です。「シダ」も、ボストンファーンは無毒ですが、アスパラガスファーンは有毒です。「リリー」も、ユリ科のユリは猫に腎不全、スパティフィラム(ピースリリー)はシュウ酸カルシウム、スズランは心臓の毒で、どれも別の危険です。「多肉」も、エケベリアとハオルチアは無毒ですが、カランコエとアロエは有毒です。
Q. 植物以外に気をつけることはありますか?
4つあります。1つ目、農薬・害虫スプレー・肥料。植物が無毒でも、かけたものは無毒ではありません。2つ目、土とハイドロボール。掘って食べる犬猫がいます。3つ目、トゲ。サボテンは無毒とされる種類が多いですが、トゲは目と口を傷つけます。4つ目、食べすぎ。無毒の草でも、大量に食べれば吐きます。猫草を置いて「そちらを食べてもらう」のは、ひとつの方法です。
Q. ASPCA のデータベースは、どう使えばいいですか?
英語のサイトですが、学名(ラテン語)で検索できます。植物のラベルや園芸店の表示にある学名を、そのまま入れてください。各植物のページに「Toxic to Dogs / Non-Toxic to Dogs」「Toxic to Cats / Non-Toxic to Cats」と明記され、有毒なら成分と症状が載っています。日本名で検索しても出ないことがあるので、学名が鍵です。
まとめ
- ASPCAが 犬猫に無毒 とする観葉植物:オリヅルラン、アレカヤシ、テーブルヤシ、ボストンファーン、カラテア、マランタ、ペペロミア、ホヤ、エケベリア、ハオルチア、パキラ
- 安全な切り花:バラ、ガーベラ、ヒマワリ、ラン、キンギョソウ、フリージア、スターチス、ストック、トルコギキョウなど。花束は全部の花を確かめる(ユリの添え花)
- 「無毒」≠「食べても平気」。本来の食事ではないので、食べれば軽い胃腸症状(ASPCA)
- 学名で確かめる。ソテツはヤシではない、アスパラガスファーンは有毒、「リリー」は3種類の別の危険、多肉は種類による
- 植物が無毒でも 農薬・肥料・土・トゲ・食べすぎ は別
かじられる前提で選べば、植物と犬猫は同じ部屋にいられます。選ぶときの物差しは、見た目の前に、学名です。うちは植物を置くのをやめましたが、置くなら、この物差しで選んでください。
参考文献
- Toxic and Non-Toxic Plants|ASPCA Animal Poison Control Center(米国動物虐待防止協会の中毒情報データベース。オリヅルラン、アレカヤシ、テーブルヤシ、バンブーパーム、ボストンファーン、カラテア、プレイヤープラント、ペペロミア、ホヤ、エケベリア、ハオルチア、パキラの各項)
- Your Guide to a Pet-Safe Mother’s Day Bouquet|ASPCA(ペットに安全な花束の花と、食べれば軽い胃腸症状を起こしうるという注意)
- Lovely Lilies and Curious Cats: A Dangerous Combination|U.S. Food and Drug Administration(米国食品医薬品局。猫に危険なユリについての解説)
- Top 10 Toxic Plants for Pets: What to Look Out For|ASPCA(ソテツ、ユリ、スパティフィラムなどの有毒植物についての解説)
免責事項
本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、診断ではありません。愛猫・愛犬が植物を口にして具合が悪い場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。記載内容は執筆時点で確認できた情報にもとづいており、ここに載っていない植物が安全であることを意味しません。同じ名前で呼ばれる別種の植物や、品種改良された植物については、学名で個別に確認してください。
記事執筆者・監修者
- 西尾 亮佑
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【ペット業界15年以上】横浜ペットコミュニティ専門学院にてトリミング・訓練を学び、大手ペットショップ・ペットメーカーに勤務。数多くのペットショップ・トリミングサロン・動物病院を視察してきました。
その中でペット業界の矛盾の多さや利益優先の姿勢に疑問を持ち、愛犬・愛猫の健康面を最優先に考える想いを貫くため2020年7月15日にDog&Cat CLEARを設立。愛猫21匹と愛犬2匹と暮らしながら『愛犬・愛猫の健康は飼い主が守る』を発信しています。