猫がくさいのは体からのサイン|口・耳・お尻・皮膚・毛づくろい、5か所の嗅ぎ分け
- この記事について
海外の獣医学的な情報源を確認したうえで、猫のにおいの元を5か所に分け、受診するにおいと家で拭くにおいを分けて書いています!
当店の CLEAR WATER と CLEAR DENTAL の使い方も書いています!
我が家(猫21匹)のにおいの見つけ方は、随時追記していきます!
- こんな人にオススメな内容
-
- 猫がくさくなった。前はにおわなかった
- 魚のようなにおい、口のにおい、の意味を知りたい
- 老猫や太った猫の、毛のにおいが気になる
- 多頭飼いで、1匹だけにおう
- 自宅でできること
- 5か所を嗅ぎ分ける
- 「受診」のにおい
- 「拭いて乾かす」のにおい
- CLEAR WATER と CLEAR DENTAL を使う場合の手順
- 口:猫の口臭は、受診のサイン
- 耳とお尻:「普通」と「受診」の線
- 皮膚と毛づくろい:「届かない場所」がにおう
- 受診の目安チェックリスト
- やってはいけないこと
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
- 免責事項
猫がくさくなった。前はにおわなかった。魚のようなにおい、口のにおい、の意味を知りたい。老猫や太った猫の、毛のにおいが気になる——そう検索してこのページにたどり着いた方に向けて書いています。
猫のにおいについて、最初にお伝えしたいことがあります。
猫は、本来においません。 健康な猫は、自分で毛づくろいをして、皮膚と毛を保っています。だから、「猫がくさい」は、それ自体がサインです。口、耳、お尻、皮膚のどこかに原因があるか、毛づくろいができなくなっているか。嗅ぎ分けると、受診するにおいか、拭いて乾かす場所かが分かります。
海外の獣医学的な情報源を確認したうえで、順に整理します。本文で触れている資料の出典は、すべて記事末尾の参考文献に挙げています。
先に結論だけお伝えします。
- 口: 4歳以上の猫の50〜90% に歯の病気(米国の獣医大学)。口臭は受診のサイン。口内炎は痛くて毛づくろいができなくなる(獣医病院グループ)
- 耳: におい・頭を振る・黒い耳あか は外耳炎や耳ダニのサイン。速やかに受診。健康な耳の定期的な掃除は不要(獣医師向けの手引きの飼い主向け版)
- お尻: 魚のようなにおいは 肛門腺。引きずる・なめる・腫れ・毛が抜ける はすぐ受診(獣医病院グループ)
- 皮膚: 毛づくろいが届かない場所に 皮脂とフケ がたまる
- 毛づくろいの減少 そのものが、口の痛み・肥満・関節・高齢のサイン
- 家で 拭いて乾かすだけでいい のは、病気のサインがない体とお尻周り。当店の CLEAR WATER はその範囲で、CLEAR DENTAL は処置のあとの歯垢取りに
自宅でできること

嗅ぎ分ける→受診か、拭いて乾かすか→毛づくろいの量を見る。 猫は、消臭するのではなく、原因を探す動物です。
5か所を嗅ぎ分ける
- 口。 頬の上から唇を少し持ち上げて、奥歯の外側と歯茎の縁。歯石、赤い線。口を開けさせない
- 耳。 耳をめくって、入口。赤み、黒や茶色の耳あか、分泌物。頭を振っていないか
- お尻。 肛門の周り。便の付着、腫れ、赤み、分泌物。引きずっていないか、しっぽの付け根の毛が薄くないか
- 皮膚。 背中の付け根、お腹、脇、あごの下。ベタつき、フケ、黒い点、赤み
- 毛づくろい。 毛並みが乱れていないか、背中の付け根に毛玉やフケがないか、顔を洗っているか
「受診」のにおい
- 口臭 → 歯の病気(歯周病、歯が溶ける病気、口内炎、腎臓病)
- 耳のにおい(頭を振る・かく・黒い耳あかと一緒)→ 外耳炎、耳ダニ。多頭飼いはうつる
- 魚のようなにおいが続く、引きずる、なめる、腫れ、しっぽの付け根の脱毛 → 肛門腺
- 毛づくろいが急に減った、毛並みが乱れた → 口の痛み、関節の痛み、体調不良
- 皮膚のにおいと、赤み・かゆみ・脱毛が一緒 → 皮膚の病気
「拭いて乾かす」のにおい
- お尻周り: 便が付いたら、絞った布で拭いて乾かす。長毛は特に
- 毛づくろいが届かない場所: 老猫・太った猫の背中の付け根、お腹。週1〜2回、拭いて乾かし、ブラッシング
- あごの下: ウェットフードのあとに拭いて乾かす。黒い点が増えるなら、食器を替えて受診
- 水で洗わない。 猫のにおいで、シャンプーが必要なことは、ほとんどありません
CLEAR WATER と CLEAR DENTAL を使う場合の手順

当店の商品をお使いの場合は、次のとおりです。受診のにおいは、受診が先です。
- CLEAR WATER: コットンにひたひたになるまでスプレーして軽く絞り、お尻周り、毛づくろいが届かない場所、あごの下 を押さえるように拭き、乾いたタオルで水気を取る。猫に直接スプレーしない。 スプレーの音は、猫から離れた場所で。耳の中には入れない。肛門腺には使わない
- CLEAR DENTAL: 歯の処置のあと、指に1プッシュして前歯をひと擦りから。ガーゼに2〜3プッシュ、フードに2〜3プッシュ。1日20プッシュまで。
- 拭いても翌日に戻るにおいは、受診のサイン
- CLEAR DENTAL は開封後に冷蔵庫で保管し、6か月以内に使い切る。CLEAR WATER は高温・直射日光を避けて保管し、開封後1年半以内に
CLEAR WATER の成分は電気分解還元水だけで、香料・精油・界面活性剤・防腐剤を含みません。猫は、拭かれた場所をなめます。残らないこと、香りがないことは、猫では特に大事です。CLEAR DENTAL は研磨剤・防腐剤不使用で犬猫兼用。香りでにおいを隠す成分は、どちらにも入れていません。
猫のおしっこのにおいは、この5か所とは別の話です。
あわせて読みたい 【猫の臭い】 猫のおしっこが臭う原因と失敗する原因は? →口:猫の口臭は、受診のサイン

米国の獣医大学(コーネル大学)の猫の医療センターは、4歳以上の猫の50〜90% に何らかの歯の病気がある、としています。歯周病、歯が溶ける病気(歯の吸収病巣)、口内炎。どれも痛みを伴い、猫は隠します。
獣医病院グループ(VCA)の解説は、猫の歯肉炎のサインとして 歯茎の縁の赤みと腫れ、口臭、歯磨きでの出血 を挙げ、歯肉炎は唯一元に戻せる段階、としています。口内炎は、口の粘膜に広がる炎症で、強い痛み を伴い、食欲低下、体重減少、そして 痛くて毛づくろいができず、毛並みが乱れる。つまり、口のにおいは、口だけのにおいではなく、全身のにおいの原因にもなります。猫が自分を保てなくなるからです。
猫の口臭は、腎臓病でも出ます。口の中に原因が見つからないとき、獣医師は血液と尿の検査で確かめます。口臭に気づいたら、まず受診。処置のあとに、家で毎日歯垢を取る。頬の上から触る練習→前歯をひと擦り→褒める、から。
猫の口臭の原因は、別の記事に詳しくまとめています。
あわせて読みたい 猫の口臭の原因|歯周病・歯が溶ける病気・口内炎・腎臓病。猫は痛みを隠します →耳とお尻:「普通」と「受診」の線

耳。 獣医師向けの標準的な手引き(Merck)の飼い主向け版は、猫の耳の炎症のサインとして、頭を振る、におい、赤み、腫れ、かく、分泌物、かさぶたのような皮膚 を挙げ、変化に気づいたら速やかに受診、としています。原因は、寄生虫、異物、アレルギー、細菌や酵母、中耳の感染。猫では 耳ダニ が多く、黒いコーヒーかすのような耳あか で気づきます。多頭飼いではうつるので、1匹に見つかったら全員。そして、健康な猫の耳は、定期的な掃除を必要としない。綿棒や家庭の液体を入れない。耳のにおいは、家で消すものではありません。
お尻。 同じ病院グループ(VCA)の猫の肛門腺の解説は、肛門の両脇に2つの袋があり、強いにおいの液体 が排便時に出て、縄張りのしるし(猫の「名刺」)になる、としています。たまに魚のようなにおいがするのは、普通です。受診になるのは、解説が挙げるサインが出たとき。お尻を引きずる、お尻やしっぽの付け根をなめる・かむ、しっぽの付け根やお腹の毛が抜ける(なめすぎ)、排便をいやがる、触ると痛がる、肛門の横の腫れ、血の混じった分泌物。 詰まり、感染、膿。解説は、サインが出たらすぐに受診、高齢の猫では腫瘍が同じサインを出すことがある、としています。家で絞るものではありません。
皮膚と毛づくろい:「届かない場所」がにおう

猫の皮膚のにおいは、多くの場合、毛づくろいが届かなくなった場所 に出ます。背中の付け根、しっぽの付け根、お腹、お尻周り。皮脂とフケと汚れがたまり、毛が束になり、においます。
届かなくなる理由は、4つです。高齢 で体が硬くなった。太って 届かない。口が痛くて なめられない(口内炎の猫は、痛くて毛づくろいできない、と解説は書いています)。関節が痛くて 体をひねれない。どれも、においの問題ではなく、受診で確かめる問題です。毛づくろいが 急に 減ったなら、特に。
家でできるのは、届かない場所を代わりに保つことです。週に1〜2回、絞った布で拭いて、乾かす。ブラッシングで、抜け毛とフケを出す。水で洗う必要はありません。猫のにおいで、シャンプーが必要なことは、ほとんどない。拭いて、乾かして、ブラシ。それで、届かない場所は保てます。
皮膚のにおいに、赤み、かゆみ、脱毛、かさぶたが一緒なら、皮膚の病気です。受診。あごの下の黒い点が増えるなら、猫ニキビのことがあります。食器を替えて、広がるなら受診。
猫の体の汚れの拭き方の基本は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい 【猫の体についた汚れ】 シャンプー嫌いな猫にはドライシャンプーがおすすめ! →受診の目安チェックリスト

当日中に受診してください。
- 食べたそうなのに食べられない、よだれ、口から出血
- 耳を触ると痛がる、首を傾けたまま、ふらつく
- 肛門の横が腫れている、血の混じった分泌物
- 排便をいやがる、いきむ、触ると怒る
- 急にぐったりした、毛づくろいをまったくしなくなった
数日以内に受診してください。
- 口臭がある、強くなった
- 歯茎の縁に赤い線、歯石
- 耳がにおう、頭を振る、かく、黒い耳あか、分泌物
- 魚のようなにおいが続く、お尻を引きずる、なめる、しっぽの付け根の毛が薄い
- 毛づくろいが減った、毛並みが乱れた、背中の付け根に毛玉やフケ
- 皮膚のにおいに、赤み・かゆみ・脱毛・かさぶたが一緒
- あごの下の黒い点が広がる、赤い
- 多頭飼いで、1匹だけにおう
- 拭いても、翌日にはにおいが戻る
やってはいけないこと
「猫はにおうもの」と思わないでください。 健康な猫は、ほとんどにおいません。においは、サインです。
消臭スプレーで隠さないでください。 場所が分からなくなり、受診が遅れます。
耳のにおいを、拭いて消さないでください。 外耳炎や耳ダニのサインです。綿棒も、家庭の液体も、入れない。
肛門腺を、家で絞らないでください。 獣医師が診て、必要なら絞ります。
口臭に、歯磨きだけで対応しないでください。 歯石は処置でしか取れず、口内炎や腎臓病のこともあります。受診が先。
毛づくろいの減少を、年のせいにしないでください。 口と関節の痛みのことがあります。
においを取るために、水で洗わないでください。 猫のにおいで、シャンプーが必要なことはほとんどありません。拭いて、乾かして、ブラシ。
猫に直接スプレーしないでください。 音と感触で驚き、次から触らせてくれません。
よくある質問
Q. 猫は、もともとにおうものですか?
ほとんどにおいません。健康な猫は、起きている時間のかなりの部分を毛づくろいに使い、自分で皮膚と毛を保っています。だから、「猫がくさくなった」は、それ自体がサインです。口、耳、お尻、皮膚のどこかに原因があるか、毛づくろいができなくなっているか。においの場所を嗅ぎ分けると、どちらかが分かります。消臭スプレーで隠すと、サインが消えます。
Q. 口がくさいです。
歯の病気のサインです。コーネル大学は、4歳以上の猫の50〜90%に何らかの歯の病気がある、としています。VCA の解説は、歯肉炎のサインとして歯茎の縁の赤みと腫れ・口臭・歯磨きでの出血を挙げ、口内炎は強い痛みで食欲低下や毛づくろいができないことによる毛並みの乱れが出る、としています。猫の口臭は、歯周病のほか、歯が溶ける病気、口内炎、腎臓病でも出ます。口臭に気づいたら、受診です。処置のあとに、家で毎日歯垢を取ります。
Q. 耳がくさいです。
受診してください。Merck の飼い主向け版は、猫の耳の炎症のサインとして、頭を振る、におい、赤み、腫れ、かく、分泌物、かさぶたのような皮膚を挙げ、変化に気づいたら速やかに受診、としています。猫では耳ダニが多く、黒いコーヒーかすのような耳あかで気づきます。多頭飼いではうつります。健康な猫の耳は定期的な掃除を必要とせず、綿棒や家庭の液体を入れない、とも書いています。
Q. お尻が魚のようなにおいがします。
肛門腺のにおいです。VCA の解説は、猫の肛門の両脇に2つの袋があり、強いにおいの液体が排便時に出て、縄張りのしるしになる、としています。たまに出るのは普通です。ただし、お尻を引きずる、お尻やしっぽの付け根をなめる・かむ、しっぽの付け根やお腹の毛が抜ける、排便をいやがる、肛門の横の腫れ、血の混じった分泌物、は詰まりや感染や膿のサインで、すぐに受診、としています。家で絞るものではありません。
Q. 老猫・太った猫の、毛がにおいます。
毛づくろいが減っているサインです。高齢で体が硬くなった、太って届かない、口が痛い、関節が痛い。理由はどれも、受診で確かめるものです。毛づくろいが届かない背中の付け根、お尻周り、お腹に、皮脂とフケと汚れがたまり、においます。家でできるのは、届かない場所を、週に1〜2回、絞った布で拭いて乾かし、ブラッシングで抜け毛とフケを出すこと。水で洗う必要はありません。急に減ったなら、口と関節を診てもらってください。
Q. CLEAR WATER と CLEAR DENTAL は、猫のにおいに使えますか?
CLEAR WATER は、病気のサインがない体とお尻周りの汚れを拭いて乾かすもので、コットンに含ませて絞り、押さえるように拭いて、乾いたタオルで水気を取ります。猫に直接スプレーしません。香料や精油が入っていないので、猫の体に残らず、においを隠しません。CLEAR DENTAL は、歯の処置のあとに歯垢を毎日取るための液体です。耳の中と肛門腺には使いません。
まとめ
- 猫は本来においません。 においは 口・耳・お尻・皮膚・毛づくろいの減少 のどれかのサイン
- 口 は4歳以上の50〜90%に歯の病気。口臭は受診。口内炎は毛づくろいができなくなる
- 耳 のにおい・頭を振る・黒い耳あかは外耳炎や耳ダニ。拭かずに受診。健康な耳の掃除は不要
- お尻 の魚のにおいは肛門腺。引きずる・なめる・腫れ・脱毛はすぐ受診。家で絞らない
- 毛づくろいが届かない場所 は、週1〜2回拭いて乾かし、ブラシ。水で洗わない。急に減ったら口と関節を診てもらう
- CLEAR WATER は病気のサインがない体とお尻周りに、CLEAR DENTAL は処置のあとの歯垢取りに。香りで隠さない
猫がにおったら、消す前に、嗅ぎ分ける。猫は、においで体の変化を教えてくれる動物です。
参考文献
- Feline Dental Disease|Cornell Feline Health Center, Cornell University College of Veterinary Medicine(4歳以上の猫の50〜90%に何らかの歯の病気、歯周病・歯の吸収病巣・口内炎)
- Gingivitis and Stomatitis in Cats|VCA Animal Hospitals(歯肉炎のサイン(歯茎の縁の赤みと腫れ・口臭・出血)、唯一元に戻せる段階、口内炎の強い痛み、食欲低下、毛づくろいができないことによる毛並みの乱れ)
- Otitis Externa in Cats|Merck Veterinary Manual, Pet Owner Version(耳の炎症のサイン(頭を振る・におい・赤み・腫れ・かく・分泌物・かさぶたのような皮膚)、原因(寄生虫・異物・アレルギー・細菌や酵母・中耳)、健康な猫は定期的な耳掃除を必要としない、家庭の液体を入れない、変化に気づいたら速やかに受診)
- Anal Sac Disease in Cats|VCA Animal Hospitals(Courtney Barnes, BSc, DVM; Malcolm Weir, DVM, MSc, MPH; Tammy Hunter, DVM; Ernest Ward, DVM。肛門の両脇の2つの袋、強いにおいの液体、排便時に出る縄張りのしるし、サイン(引きずる・なめる・かむ・毛が抜ける・排便をいやがる・痛み・腫れ・血の混じった分泌物)、詰まり・感染・膿、治療、再発の背景(肥満・下痢・便秘・アレルギーなど)、サインが出たらすぐ受診、高齢猫の腫瘍)
免責事項
本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、診断ではありません。口臭・耳のにおい・お尻を引きずる・毛づくろいの減少・皮膚の赤みやかゆみなどの症状については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。肛門腺の処置や耳の洗浄は獣医師の指示に従ってください。記載内容は執筆時点で確認できた情報にもとづいています。当店のケア用品は医薬品ではなく、病気の治療や予防を目的としたものではありません。
記事執筆者・監修者
- 西尾 亮佑
-
【ペット業界15年以上】横浜ペットコミュニティ専門学院にてトリミング・訓練を学び、大手ペットショップ・ペットメーカーに勤務。数多くのペットショップ・トリミングサロン・動物病院を視察してきました。
その中でペット業界の矛盾の多さや利益優先の姿勢に疑問を持ち、愛犬・愛猫の健康面を最優先に考える想いを貫くため2020年7月15日にDog&Cat CLEARを設立。愛猫21匹と愛犬2匹と暮らしながら『愛犬・愛猫の健康は飼い主が守る』を発信しています。