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  • 春の涙やけ|スギ・ヒノキ花粉、黄砂、換毛、新生活——2〜5月に涙が増える4つの候補と、確かめる順番

    桜の花の下で芝生に座る白いマルチーズ
    この記事について

    現時点では個人的に感じた感想や意見はまだ記載しておりません!

    海外の獣医学的に涙やけをどう捉えるのかをまとめて参照した内容となります!

    これはこういうのはあった。これはどうだろう?という僕の経験則の部分はまた随時更新いたします!

    こんな人にオススメな内容
    • 毎年、2〜3月になると涙やけが目立つ
    • 春に両目が赤く、涙が多く、顔をこすりつける
    • 花粉症の家族がいて、犬にも花粉症があるのか知りたい
    • 春に迎えた子猫の涙と目やにが続いている
    1. 春に固有の候補は、4つあります
    2. 候補1:かゆみ——犬にもある、スギ花粉への反応
    3. 候補2:黄砂とPM2.5——かゆくない「刺激」
    4. 候補3:春の換毛期の抜け毛
    5. 候補4:猫の春——新生活のストレスと、ヘルペスウイルスの再発
    6. 確かめる順番
    7. 受診の目安チェックリスト
    8. 自宅でできること
    9. CLEAR WATER を使う場合の手順
    10. やってはいけないこと
    11. よくある質問
    12. まとめ
    13. 参考文献
    14. 免責事項

    毎年、2〜3月になると涙やけが目立つ。春に両目が赤く、涙が多く、顔をこすりつける。花粉症の家族がいて、犬にも花粉症があるのか知りたい——そう検索してこのページにたどり着いた方に向けて書いています。

    春の涙やけについて、最初にお伝えしたいことがあります。

    「春に犬猫の涙が増える」ことを直接調べた研究は、確認できませんでした。 でも、春に飛んでいるもの、春に起きていることは、日本の研究と公的機関の資料で確かめられます。候補は4つ。それを「季節のせい」で終わらせると、来年も同じことが起きます。

    海外の獣医学的な情報源と、日本の研究・公的機関の資料を確認したうえで、順に整理します。本文で触れている資料の出典は、すべて記事末尾の参考文献に挙げています。

    先に結論だけお伝えします。

    • 犬がスギ花粉に反応することは、日本の研究で確認されています。 動物病院の犬87頭の 19.5% が、スギ花粉の2つの主要アレルゲンに対するIgE抗体を基準値以上に持っていました
    • 犬の花粉症は、くしゃみより 皮膚のかゆみと、目の赤み・涙 として出ます。アトピー性皮膚炎の犬の 6割近く にアレルギー性結膜炎があり、両目 に出ます
    • 黄砂 は、環境省の資料で、2月ごろから増え 3〜5月にピーク。粒の小さなものはPM2.5に含まれ、目と鼻への刺激物です
    • 春の換毛 で抜けた毛が目に入ります。ブラッシングで減るなら、原因は毛です
    • 猫の春 は、新生活のストレスによるヘルペスウイルスの再発。子猫を迎えた家では、とくに

    春に固有の候補は、4つあります

    スギ林の小道をこちらへ歩いてくる柴犬

    春の涙やけを「季節のせい」で終わらせると、来年も同じことが起きます。候補を分けます。

    候補何が起きているか見え方根拠
    かゆみ(スギ・ヒノキ・イネ科の花粉)アレルギー性結膜炎。結膜が腫れ、充血し、かゆく、涙が増える両目、毎年同じ時期、顔をこすり、足・耳・脇・お腹もかくコーネル大学、Delgado 2023、日本の研究3報、環境省
    黄砂・PM2.5などの刺激物結膜が刺激され、涙と目やにが増える両目、黄砂の日のあと、外出のあと、かゆみは強くない環境省、VCA
    春の換毛期の抜け毛抜けた毛が目に入り、異物として涙を増やす両目または片目、目やにに毛が絡む、ブラッシングで減る—
    猫の新生活のストレスヘルペスウイルスの再発。結膜炎、くしゃみ、目やに引っ越し・新しい猫のあと、くしゃみと一緒コーネル大学、ABCD

    4つのうち、いちばん多く、いちばん見過ごされやすいのが、1つ目のかゆみです。

    候補1:かゆみ——犬にもある、スギ花粉への反応

    ラグの上で横になって目を細めるフレンチブルドッグ

    米国の大学の犬の専門機関(コーネル大学)のアトピー性皮膚炎の解説は、発症は生後6か月〜3歳が多く、40〜75%に季節性 があり、典型的なアレルゲンは 花粉、カビ、ダニ、フケ だとしています。アトピーの犬は「肘の後ろをかき、足を舐めてかみ、顔をこすり、お尻を床にこすりつける」とし、耳と皮膚の感染に加えて、「涙が多く、目が赤い」アレルギー性結膜炎 をともなうと書いています。

    ポルトガルのチームによる犬のアレルギー性結膜炎の研究(2023年)は、アトピー性皮膚炎の犬の6割近くに、アレルギー性結膜炎が併発していた と書いています。徴候は、結膜の充血、結膜の腫れ、目のかゆみ、涙で、すべての犬で両目 に出ていました。

    では、日本の春に飛んでいるものに、犬は反応するのか。ここは、日本の研究があります。

    • 1995年の報告(日本獣医学雑誌)では、慢性皮膚炎の犬51頭のうち 4頭がスギ花粉アレルゲンに反応 し、皮内試験が陽性で、スギ花粉に対する特異的IgEを持ち、鼻にアレルゲンを入れると3頭中2頭で5〜20分後に鼻水が増えました。著者らは、スギ花粉が「犬のアトピー性疾患の原因のひとつでありうる」と結論づけています
    • 2000年の報告(同誌)では、アトピー性皮膚炎の犬10頭が、皮内試験と血清の特異的IgE検査でスギ花粉に感作されていた ことが示されました
    • 2018年の研究(獣医科学の国際誌)では、動物病院の犬87頭の血清を調べ、19.5% がスギ花粉の2つの主要アレルゲン(Cry j 1、Cry j 2)に対するIgE抗体を基準値以上に持っていました。地域差が大きく、兵庫県の犬ではCry j 1に60.9%、Cry j 2に73.9%が陽性、神奈川県では4.7%と17.2%でした。著者らは、室内飼いでもスギ花粉への抗体ができ、地域のスギ林の密度と飛散のパターンに相関する、と書いています

    つまり、犬にもスギ花粉への反応はあり、住んでいる地域によって頻度が大きく違います。 ただし、人のような「くしゃみ・鼻水」が主役ではなく、犬では 皮膚のかゆみと、目の赤み・涙 として出ます。

    飛散の時期は、環境省の花粉症環境保健マニュアルが、スギとヒノキは春が中心、カモガヤやオオアワガエリなどのイネ科の花粉は種類が多いために春から初秋までの長い期間飛散する、としています。2月のスギから始まり、ヒノキ、そして5月からのイネ科へ——春の涙が3か月以上続く理由は、ここにあります。

    春に、両目とも赤く、涙が多く、顔をこすり、足を舐め、耳をかく——それは、涙やけではなく、かゆみ です。かゆみの治療が先で、拭いても変わりません。かゆみの側の話は、柴犬とウエスティの記事に詳しく書いています。

    あわせて読みたい 柴犬の涙やけ|かゆみと緑内障、柴犬で先に確かめたい2つのこと → あわせて読みたい ウエスティの涙やけ|白い毛にかゆみとドライアイが重なる犬種です →

    候補2:黄砂とPM2.5——かゆくない「刺激」

    かすんだ空のベランダで外を見るトイプードル

    花粉と同じ時期に、別のものも飛んでいます。

    環境省の資料は、「黄砂は夏季を除き通年で日本列島に飛来しますが、2月頃から増加し始め、3月〜5月にピークを迎えます」 とし、「黄砂のうち粒径の小さなものは微小粒子状物質(PM2.5)に含まれるため、黄砂が飛来するとPM2.5濃度も上昇します」 と書いています。人に対しては、不要不急の外出を控え、外出時は不織布マスクで吸入量を減らすことが勧められています。

    犬猫は、マスクをしません。そして、地面に近いところを歩き、草むらに顔を入れます。米国の大手動物病院チェーン(VCA)の犬の結膜炎の解説は、原因のひとつに 「煙、ほこり、薬品、環境の汚染物質」などの刺激物 を挙げています。黄砂の日の散歩のあとに、両目がうっすら赤く、涙と目やにが増える——かゆみは強くなく、体もかかない——これは、刺激物の結膜炎として、まず疑ってよいものです。

    見分けのポイントは、かゆがるかどうか と、日によって違うか です。花粉のかゆみは毎日続き、体もかきます。黄砂の刺激は、飛来した日のあとに出て、翌日には引きます。環境省の黄砂情報と、目の赤さの日付を見比べてください。

    候補3:春の換毛期の抜け毛

    ブラシと抜け毛の山のそばで伏せるコーギー

    春は、多くの犬猫で冬毛が抜ける時期です。ダブルコートの犬種(柴犬、ポメラニアン、コーギー、ゴールデンなど)や長毛の猫では、抜け毛が大きく増えます。

    抜けた毛は、目に入ります。目に入った毛は異物として涙を増やし、目やにに絡まって目頭に固まります。毛が絡んだ目やにを、乾いたまま引きはがすと、まぶたと皮膚を傷めます。

    これは、候補の中でいちばん自宅で対処しやすいものです。ブラッシングで抜け毛を減らす、目頭の毛を短く保つ、拭くときは湿らせてふやかしてから押さえて取る。 これで減るなら、原因は毛です。

    ただし、注意があります。換毛期の涙が「毎年、両目、体もかく」なら、毛ではなく、同じ時期に飛んでいる花粉のかゆみです。毛のせいにして、かゆみを見過ごさないでください。換毛期と密な下毛の話は、柴犬とコーギーの記事にも書いています。

    あわせて読みたい コーギーの涙やけ|手引きに「涙の病気」がほとんど載っていない犬種で、出ているなら理由があります →

    候補4:猫の春——新生活のストレスと、ヘルペスウイルスの再発

    引っ越しの段ボール箱の中に座るキジトラ猫

    猫でも、花粉やほこりでアレルギー性の結膜炎は起きます。ただ、猫の春で多いのは、別のものです。

    米国の大学の猫の専門機関(コーネル大学)の解説では、猫の 最大97% が生涯のうちにヘルペスウイルスに触れ、触れた猫の 最大80% で一生残る感染になり、そのうち 最大45% が、主にストレスをきっかけに、周期的にウイルスを出します。一度感染した猫は生涯ウイルスを持ち続け、上部気道と目の症状を繰り返すことがあります。

    春は、その引き金が集まる季節です。引っ越し、進学や就職による家族の生活の変化、来客、そして 子猫を迎えること。新しい猫が来た家では、先住猫のストレスと、子猫自身の環境の変化の両方が、ウイルスを目覚めさせます。迎えて数日〜数週間で涙と目やにが出はじめ、落ち着いたと思ったらまた出る——この経過は、猫種ではなく、ウイルスの性質で説明がつきます。

    くしゃみ・鼻水をともなう、片目から始まった、目を細める、目やにが黄色〜緑色 のどれかがあれば、涙やけとして拭く前に、受診してください。猫の涙やけとヘルペスウイルスの話は、猫の記事にまとめています。

    あわせて読みたい 猫の涙やけの原因|感染症のサインと受診の目安を解説 →

    確かめる順番

    クッションに顎を乗せてこちらを見るポメラニアンの顔のアップ

    春の涙を、次の順番で分けてください。

    1. 急に、片目、痛がる? → 花粉ではありません。異物、角膜の傷、緑内障の可能性。当日中
    2. 両目で、かゆがって、体もかく? → かゆみ(花粉、ダニ)。かゆみの治療とアレルゲンの検査の相談
    3. 黄砂の日のあとだけ、両目がうっすら赤い? → 刺激物。散歩のあとに拭いて、黄砂の日は外出を短く
    4. 目やにに毛が絡み、ブラッシングで減る? → 換毛期の抜け毛
    5. 猫で、くしゃみと一緒、環境が変わったあと? → ヘルペスウイルスの再発。受診
    6. 毎年同じ時期に、何週間も続く? → 「季節のせい」で終わらせず、2のかゆみとして診てもらう

    犬の涙やけの原因の全体像——「増える」「出ていけない」「減る」の3つの方向——は、犬全体の記事にまとめています。春の候補は、どれも「増える」側です。

    あわせて読みたい 犬の涙やけの原因は?海外の獣医学的な根拠と受診の目安を解説 →

    春が終わっても涙が続くなら、夏の候補(湿気、エアコンの風、紫外線、水遊び)に切り替わっているかもしれません。

    あわせて読みたい 夏の涙やけ|エアコンの風、紫外線、湿気とダニ、水遊び——6〜8月に涙と皮膚が荒れる4つの候補と、確かめる順番 →

    秋の換毛と秋の花粉は、春と見るところが同じです。秋の記事はこちらです。

    あわせて読みたい 秋の涙やけ|換毛・秋の花粉・ダニのフンと死骸——9〜11月に涙が増える3つの候補と、確かめる順番 →

    冬の乾いた空気と暖房で「目やにが粘る」側の話は、冬の記事に書いています。

    あわせて読みたい 冬の涙やけ|暖房の乾いた風・残るダニ・寒い外気——12〜2月に「目やにが粘る」なら涙が減った側を疑ってください →

    受診の目安チェックリスト

    当日中に受診してください。

    • 急に片目を細めて、痛がっている、前足で目をこする(異物、角膜の傷の可能性)
    • 角膜が白く濁っている、瞳孔が開いたまま、白目の奥から赤い(緑内障、ぶどう膜炎の可能性)
    • 急に片目が赤く、涙が増えた

    数日以内に受診してください。

    • 両目が赤く、涙が多く、かゆがって顔や体をかく状態が2週間以上続く
    • 毎年、春になると同じことが起きる
    • 目の周りの皮膚が赤い、毛が抜けている、ただれている
    • 猫で、くしゃみ・鼻水と一緒に涙と目やにが出ている、片目から始まった
    • 春に迎えた子猫の涙と目やにが、2週間以上続いている

    自宅でできること

    かゆみが原因なら、拭いても変わりません。 そのうえで、春に自宅でできることを書きます。

    散歩のあとに、顔と目の周りを拭いて、乾かす。 花粉と黄砂は、毛につきます。帰宅後に、乾いたコットンや濡らして固く絞ったタオルで顔を拭き、目の周りは目頭から外側へ、湿らせてふやかしてから押さえるように拭いて、乾いた状態にしてください。米国の大手動物病院チェーン(VCA)の解説でも、目の周りを清潔に乾いた状態に保ち、たまった汚れを取り、目の周りの毛を短くすることが挙げられています。

    黄砂・花粉の多い日は、散歩を短く、草むらを避ける。 環境省の黄砂情報と花粉情報は、犬猫にも使えます。

    室内の花粉を減らす。 帰宅時に人の衣服の花粉を落とす、空気清浄機、寝具の洗濯。人の花粉症対策は、同じ部屋で寝る犬猫の対策でもあります。

    換毛期は、ブラッシングを目から離れた場所から。 背中・後躯から始めて顔は最後に。目頭の毛は、トリマーか動物病院で短く。

    猫は、環境の変化をゆっくりに。 新しい猫を迎えるときは、部屋を分けて段階的に。隠れ場所と、いつもの寝床を残してください。

    濡れたまま放置するとどうなるかは、別の記事にまとめています。

    あわせて読みたい 涙やけはお手入れ不足で悪化!原因をわかりやすく解説! →

    CLEAR WATER を使う場合の手順

    当店の CLEAR WATER をお使いの場合は、目を細めていない・充血が強くない ことを確かめてから、散歩のあとの花粉・黄砂落としとして、次の手順です。

    1. 乾いたコットンで、目の下の涙を先に押さえて取る
    2. コットンを指先大にちぎり、ひたひたになるまでスプレーする(顔に直接スプレーしない)
    3. コットンを軽く絞りながら、目頭から外側へ、毛の根元まで届くように優しく押さえて拭く。顔の毛についた花粉も、同じコットンで外側へ
    4. 清潔なコットンで水気を拭き取り、乾いた状態にする
    5. かゆがってこする日は、拭くより先に受診する

    着色を消すための工程ではありません。 花粉と涙が付着している時間を短くするための工程です。そして、繰り返しになりますが、拭いてもかゆみは止まりません。 お手入れと治療は、別の話として両方してください。

    やってはいけないこと

    かゆがる両目の赤さを、「季節のせい」で拭き続けないでください。 来年も同じことが起きます。かゆみの治療とアレルゲンの検査は、春の前に相談するものです。

    人の花粉症の目薬や飲み薬を、犬猫に使わないでください。 成分も量も、犬猫のために作られていません。目薬は、角膜に傷がある状態でステロイドを含むものを使うと、治りが止まります。

    急に片目を細めて痛がる目を、「花粉だから」で様子見しないでください。 花粉は両目に出て、痛がりません。片目で痛がるなら、異物か角膜の傷です。

    毛が絡んだ目やにを、乾いたまま引きはがさないでください。 まぶたと皮膚を傷めます。湿らせてふやかしてから、押さえて取ります。

    猫の環境の変化を、一度に重ねないでください。 引っ越しと新しい猫を同時に、は避けてください。ストレスは、ヘルペスウイルスを目覚めさせます。

    過酸化水素(オキシドール)を含む製品を目の周りに使わないでください。 VCAの解説が、目に入れば重い損傷を起こすと明確に警告しています。

    よくある質問

    Q. 犬にもスギ花粉症はありますか?

    スギ花粉に反応する犬は、日本の研究で確認されています。アトピー性皮膚炎の犬10頭が皮内試験とIgE検査でスギ花粉に感作されていたという報告(2000年)、慢性皮膚炎の犬51頭のうち4頭がスギ花粉アレルゲンに反応し、鼻に入れると鼻水が増えたという報告(1995年)があります。2018年の研究では、動物病院の犬87頭のうち 19.5% がスギ花粉の2つの主要アレルゲン(Cry j 1、Cry j 2)に対するIgE抗体を基準値以上に持っていました。ただし、人のような「くしゃみ・鼻水」より、犬では 皮膚のかゆみと、目の赤み・涙 として出ます。

    Q. 春に涙が増える理由は、花粉だけですか?

    候補は4つあります。1つ目はかゆみ(スギ・ヒノキ花粉、イネ科の花粉)。2つ目は黄砂とPM2.5などの刺激物で、環境省の資料では黄砂は2月ごろから増え、3〜5月にピーク を迎えます。3つ目は春の換毛期の抜け毛。4つ目は、猫の新生活のストレスによるヘルペスウイルスの再発です。両目か片目か、かゆいか痛いか、体もかくか、で分けます。

    Q. 花粉のせいかどうか、どう見分けますか?

    両目、毎年同じ時期、顔をこすりつける、足・耳・脇・お腹もかく、の組み合わせです。アトピー性皮膚炎の犬の6割近くにアレルギー性結膜炎があったという報告があり、徴候は結膜の腫れ・充血・目のかゆみ・涙で、すべての犬で両目に出ていました。片目だけ、急に、痛がる、なら花粉ではなく、異物や角膜の傷です。

    Q. 春の涙やけは、拭けば良くなりますか?

    原因がかゆみなら、拭いても変わりません。目をこすれば涙が増え、目の周りの毛が抜け、皮膚が赤くなります。かゆみの治療(外用薬、飲み薬、注射、アレルゲンの検査)が先です。そのうえで、散歩のあとに顔と目の周りを拭いて花粉を落とし、乾かすことは、刺激を減らす意味で続ける価値があります。

    Q. 猫の春は、何が違いますか?

    猫でも花粉やほこりでアレルギー性の結膜炎は起きますが、春に多いのは、新生活のストレスによるヘルペスウイルスの再発 です。猫の最大97%が生涯のうちにヘルペスウイルスに触れ、最大80%で一生残る感染になり、そのうち最大45%がストレスをきっかけに周期的にウイルスを出します。引っ越し、家族の生活の変化、新しい猫や子猫を迎えること——春は、その引き金が集まる季節です。

    Q. 受診の目安はありますか?

    急に片目を細めて痛がる、角膜が白く濁る、瞳孔が開いたまま、は 当日中 です(異物、角膜の傷、緑内障)。両目が赤く、涙が多く、かゆがって顔や体をかく、が2週間以上続くなら、数日以内に受診して、かゆみの治療とアレルゲンの検査の相談をしてください。

    まとめ

    • 春の涙の候補は4つ:かゆみ(花粉)、黄砂・PM2.5の刺激、換毛の抜け毛、猫のストレス
    • 犬もスギ花粉に反応する。動物病院の犬の19.5%にIgE抗体。地域で大きく違う。出方は かゆみと、目の赤み・涙
    • アトピーの犬の 6割近く にアレルギー性結膜炎。両目、毎年、体もかく なら、涙やけではなくかゆみ
    • 黄砂は 3〜5月にピーク。かゆくない「刺激」。飛来の日と赤さの日付を見比べる
    • 猫は ヘルペスウイルスの再発。環境の変化を重ねない
    • 急に・片目・痛い は花粉ではない。当日中

    春に毎年、両目が赤くてかゆい。それは「季節のせい」ではなく、来年の春の前に、相談しておくことです。

    参考文献

    • Atopic dermatitis (atopy)|Riney Canine Health Center, Cornell University College of Veterinary Medicine(アトピー性皮膚炎の発症年齢、仕草、アレルゲン、季節性、アレルギー性結膜炎についての記述)
    • Delgado E, Gomes É, Gil S, Lourenço AM. Diagnostic approach and grading scheme for canine allergic conjunctivitis. BMC Vet Res. 2023;19:35. doi:10.1186/s12917-022-03561-5(犬のアレルギー性結膜炎の徴候と、アトピー性皮膚炎との併発についての記述)
    • Sasaki Y, Kitagawa H, Fujioka T, Kitoh K, Iwasaki T, Sakaguchi M, Inouye S. Hypersensitivity to Japanese Cedar (Cryptomeria japonica) Pollen in Dogs. J Vet Med Sci. 1995;57(4):683-686(慢性皮膚炎の犬51頭中4頭のスギ花粉への反応と、鼻への誘発試験)
    • Masuda K, et al. In vivo and In vitro Tests Showing Sensitization to Japanese Cedar (Cryptomeria japonica) Pollen Allergen in Atopic Dogs. J Vet Med Sci. 2000;62(9):995-1000(アトピー性皮膚炎の犬10頭のスギ花粉への感作)
    • Kuribayashi T, Cossu D, Momotani E. Seroprevalence of Immunoglobulin E Antibodies against Japanese Cedar Pollen Allergens Cry j 1 and Cry j 2 in Dogs Bred in Japan. Vet Sci. 2018(日本の犬のスギ花粉主要アレルゲンに対するIgE抗体の保有率と地域差)
    • 花粉症環境保健マニュアル|環境省(花粉の種類と飛散時期についての記述)
    • 黄砂の飛来とその影響|環境省(黄砂の飛来時期とPM2.5についての記述)
    • Conjunctivitis in Dogs|VCA Animal Hospitals(米国の大手動物病院チェーン。刺激物による結膜炎についての記述)
    • Respiratory Infections|Cornell Feline Health Center, Cornell University College of Veterinary Medicine(猫ヘルペスウイルスの感染率と再活性化)
    • Guideline for Feline Herpesvirus Infection|ABCD(European Advisory Board on Cat Diseases。猫ヘルペスウイルスの生涯キャリアとストレスによる再発)
    • Corneal Ulcers in Dogs|VCA Animal Hospitals(ステロイドを含む目薬についての警告)
    • Eye Discharge or Epiphora in Dogs|VCA Animal Hospitals(自宅ケアと過酸化水素についての警告)

    免責事項

    本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、診断ではありません。愛犬・愛猫の症状については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。記載内容は執筆時点で確認できた情報にもとづいており、個々の犬猫に当てはまるとは限りません。目の症状は進行が早いことがあります。判断に迷う場合は、記事を読み進めるより先に動物病院へご連絡ください。

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    記事執筆者・監修者

    西尾 亮佑 西尾 亮佑
    西尾 亮佑

    【ペット業界15年以上】横浜ペットコミュニティ専門学院にてトリミング・訓練を学び、大手ペットショップ・ペットメーカーに勤務。数多くのペットショップ・トリミングサロン・動物病院を視察してきました。

    その中でペット業界の矛盾の多さや利益優先の姿勢に疑問を持ち、愛犬・愛猫の健康面を最優先に考える想いを貫くため2020年7月15日にDog&Cat CLEARを設立。愛猫21匹と愛犬2匹と暮らしながら『愛犬・愛猫の健康は飼い主が守る』を発信しています。

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