【猫21匹の飼い主】 老猫の体の汚れをドライシャンプーで優しくキレイに!老猫のシャンプーは「水で洗わない」が正解。やり方・頻度・選び方
- この記事について
猫21匹・犬2匹と暮らす店主の経験と、海外の猫の専門機関(Cornell Feline Health Center、AAFP/AAHA、VCA など)の解説をもとに書いています。
病気の説明は、確認できた出典の範囲にとどめています。診断はできませんので、気になる変化は獣医師にご相談ください。
我が家でのやり方は「僕の経験」として分けて書いています。
- こんな人にオススメな内容
-
- 老猫にシャンプーをしても大丈夫か、どうすればいいか悩んでいる
- 老猫の体がベタつく、フケが出る、お尻が汚れる、においが気になる
- 老猫に使えるドライシャンプーの選び方と使い方を知りたい
- 最近、毛づくろいをしなくなった気がする
- 先に結論
- 老猫のシャンプーは「水で洗わない」が正解です
- でも、老猫の汚れは放っておけません
- 老猫にはドライシャンプー——汚れた部分だけを、濡らさずにキレイに
- 老猫のドライシャンプーの選び方
- ドライシャンプーの使用方法
- 場所別の拭き方
- 頻度は「気づいたときに、短く、毎日」
- 老猫の体が汚れる理由——毛づくろいが減るのは「年のせい」だけではありません
- 拭きながら、体のサインも見てください
- ドライシャンプーと一緒にやると、汚れにくくなること
- どうしても水で洗うときの注意点
- やってはいけないこと
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
- 免責事項
猫が高齢になると、今までなかった「体の汚れ」が気になってきます。背中がベタつく、フケが出る、お尻が汚れている。でも、お風呂に入れるのは負担が怖い——老猫のシャンプーは、どうすればいいのか。そう検索してこのページにたどり着いた方に向けて書いています。
ペット業界に15年以上携わり、猫21匹と一緒に暮らしている僕の答えは、ひとつです。老猫は、水で洗わない。汚れた部分だけを、ドライシャンプーで拭く。 これは僕の好みではなく、海外の猫の専門機関が書いている老猫の皮膚の性質から、そうなります。
この記事では、老猫を水で洗ってはいけない理由、それでも汚れを放っておけない理由、老猫に合うドライシャンプーの選び方と場所別の拭き方、頻度、そして汚れの裏にあるサインの見方まで、順番に解説します。
先に結論
- 老猫のシャンプーは「水で洗わない」が正解。 老猫の皮膚は薄く、血流が減り、感染しやすい。濡らして乾かす時間そのものが負担です
- でも、汚れは放っておけない。 毛づくろいが減った老猫は、毛玉・皮膚のにおい・炎症につながります(Cornell)
- だから 汚れた部分だけを、ドライシャンプーで拭く。 濡らさない、乾かさない、1〜2分。毎日できます
- ドライシャンプーは 舐めても安心な成分、香料・精油・アルコールなし で選び、猫に直接スプレーしない
- 汚れの裏には 関節の痛み、歯の痛み、肥満、甲状腺の病気 が隠れていることがある。拭きながら、体のサインも見る
老猫のシャンプーは「水で洗わない」が正解です

若い猫と同じように、お湯で洗って、すすいで、ドライヤーで乾かす。老猫にそれができないのは、体の理由があるからです。
Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部の猫の専門機関)の高齢猫の解説は、こう書いています。「高齢の猫の皮膚は、薄く、弾力が落ち、血流が減り、感染しやすい」。
- 皮膚が薄い。 若い猫と同じ力でこすっても、傷つきます
- 血流が減っている。 濡れた体は冷えやすく、温まりにくい
- 感染しやすい。 濡れたまま乾かしきれなかった皮膚が、炎症の入り口になります
- 洗う・すすぐ・乾かすの時間そのものが、体力とストレスの負担。 老猫がいちばん苦手なのは、長く押さえられること、全身を濡らされること、ドライヤーの音です
- 持病があることが多い。 甲状腺、腎臓、心臓。濡れて冷えることが体にどう響くかは、猫ごとに違います
老猫のシャンプーで悩んでいる方に最初に伝えたいのは、「水で洗う」という選択肢を、まず外していい ということです。洗わなくても、汚れは落とせます。やり方は、このあと書きます。
でも、老猫の汚れは放っておけません
洗わなくていい、は、汚れたままでいい、ではありません。ここが老猫の難しいところです。
Cornell Feline Health Center の解説に、核になる一文があります。「高齢の猫は、若い猫ほど効果的に毛づくろいができず、ときに毛玉、皮膚のにおい、炎症につながる」。
若い猫が汚れないのは、毎日、何時間も、自分で舐めて整えているからです。その毛づくろいが減れば、皮脂は残り、抜け毛は絡まり、お尻は汚れたままになる。老猫の汚れは、汚れが増えたのではなく、手入れが減った結果 です。VCAの解説も、「関節炎の猫や太りすぎの猫は、抜け毛や不快なにおいを取る手入れが必要になる」 としています。
水で洗えない。でも、手入れは要る。この2つを同時に満たすのが、濡らさずに汚れを落とす、ドライシャンプー です。
老猫にはドライシャンプー——汚れた部分だけを、濡らさずにキレイに

ドライシャンプーは、液体を含ませたコットンで汚れた場所を拭き、乾いたタオルで水気を取るだけのお手入れです。老猫に向いている理由は、水で洗うシャンプーの負担を、全部裏返しているからです。
| 水で洗うシャンプー | ドライシャンプー |
|---|---|
| 全身を濡らす → 体温を奪う | 汚れた場所だけ → 体は冷えない |
| すすぎと乾燥に時間がかかる → 長く押さえる | 1〜2分 → 嫌がる前に終わる |
| ドライヤーの音と熱 | 乾いたタオルで押さえるだけ |
| 皮脂を全部落とす → 薄い皮膚が乾く | 汚れている場所の皮脂だけ |
| 月に1回でも負担 | 毎日できる |
老猫の汚れは、場所が決まっています。背中の後ろ半分、腰、お尻、顎の下、足先。そこだけを拭けばいい。だから、ドライシャンプーで足ります。
老猫のドライシャンプーの選び方
猫は、拭いたあとの体を舐めます。老猫のドライシャンプー選びで、僕が譲れないのはこの3つです。
- 口に入っても問題になりにくい成分であること。 拭いた体は、必ず舐められます。腎臓や肝臓の力が落ちている老猫なら、なおさらです
- 香料・精油を含まないこと。 猫は精油(エッセンシャルオイル)を分解しにくい動物です。「天然由来の香り」も、猫には避けます
- アルコールや強い洗浄成分を含まないこと。 薄くなった皮膚を乾かし、かゆみとフケの元になります
我が家では、当店の CLEAR WATER(電気分解還元水のスプレー)を使っています。成分は電気分解還元水のみで、香料や精油は含みません。猫21匹の体に毎日使うものなので、ここだけは譲りませんでした。
精油が猫に危ない理由は、ブログに書いています。
あわせて読みたい こんなアロマは注意!猫のアロマオイル中毒 →ドライシャンプーの使用方法

- 乾いたコットンかタオルで、表面の汚れとフケを先に取る
- コットンにひたひたにスプレーする。 猫に直接スプレーしない(音と霧が、老猫にはストレスです)
- 毛並みに沿って、根元まで届くように、軽く押さえながら拭く。 こすらない。皮膚が薄い場所です
- お尻まわりの便や尿は、固まっていたらふやかしてから。 無理にはがさない
- 乾いたタオルで水気を取り、乾いた状態にする。 濡れたままは、においと皮膚炎の元です
- 1回に拭く場所は1〜2か所。 嫌がる前にやめて、明日またやる
場所別の拭き方

- 背中の後ろ半分〜腰〜お尻の上(ゴワつき、フケ): いちばん汚れる場所です。毛並みに沿って、根元まで。ブラッシングのあとに拭くと、フケと抜け毛が一緒に取れます
- お尻のまわり(便や尿): ふやかしてから、押さえるように。拭いたあとは必ず乾かす。濡れたままが、においの元です
- 顎の下、胸元(よだれで固まる): 固まりをふやかして、少しずつ。ここが毎日濡れるなら、口の中を獣医師に見てもらってください
- 足先、肉球のあいだ(トイレ砂): コットンを指に巻いて、指のあいだを一本ずつ
- 顔まわり: 目に入らないように、目頭から外側へ
顔・足・体の基本的な拭き方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい 【猫の体についた汚れ】 シャンプー嫌いな猫にはドライシャンプーがおすすめ! →頻度は「気づいたときに、短く、毎日」
決まった回数はありません。老猫は毛づくろいが減っているので、背中・お尻・顎・足先は、毎日のように汚れます。我が家では、毎日のブラッシングのついでに、汚れている場所だけをコットンで拭く。1〜2分です。濡らさないので、毎日でも負担になりません。
「全部やる」より「毎日やる」。老猫のお手入れは、回数より、短さです。
老猫の体が汚れる理由——毛づくろいが減るのは「年のせい」だけではありません

拭いてキレイにする。それと別に、知っておいてほしいことがあります。老猫の毛づくろいが減る理由は、海外の解説を読むと、だいたい次の5つに分かれます。
- 関節の痛み。 米国の獣医学誌の解説(Today’s Veterinary Practice)に挙げられた研究では、12歳を超えた猫の90% にレントゲン上の関節の変化がありました。ノースカロライナ州立大学獣医学部の痛みの研究センターの解説では、猫は痛みを隠して動き方を少しずつ変え、その変化のひとつが 毛づくろいの減少、とくに腰まわりと背中 です。背中から腰の毛がゴワつくのは、首を後ろに回して舐めるのが痛いからかもしれません
- 歯の痛み。 毛づくろいは口でします。Cornell の解説では、4歳を超えた猫の50〜90% が何らかの歯の病気を抱えています。顎の下がよだれで汚れる、口が臭う、食べにくそうにするなら、歯のサインです
- 肥満。 VCAの解説は、関節炎と肥満で自分で毛づくろいできない猫に、フケや毛玉が起きうるとしています。太っていると、背中の後ろ半分とお尻に口が届きません
- 甲状腺機能亢進症と腎臓病。 Cornell の解説では、甲状腺機能亢進症は中年期以降の猫によくある病気で、体重減少、食欲増加、多飲多尿とともに、被毛が「手入れされていない、毛玉だらけの、またはベタついた」状態 になることがあります
- 皮膚と爪の変化。 皮膚は薄く、血流が減り、爪は太く、もろく、伸びすぎます(Cornell)
歯の痛みの中身——歯周病、歯が根元から溶ける病気、口内炎、腎臓病——は、猫の口臭の記事にまとめています。
あわせて読みたい 猫の口臭の原因|歯周病・歯が溶ける病気・口内炎・腎臓病。猫は痛みを隠します →汚れている場所を見ると、原因のあたりがつきます。背中と腰は関節、顎は歯、お尻はトイレと関節、全身のベタつきは血液検査。 拭くときに、どこが汚れているかを覚えておくと、受診のときにいちばん役に立つ情報になります。
拭きながら、体のサインも見てください
Cornell Feline Health Center の解説には、「急に毛づくろいをしなくなるのは、健康上の問題のサインになりうる」 と書かれています。ドライシャンプーで汚れは落とせます。でも、毛づくろいが減った理由は、拭いても消えません。次が重なるなら、獣医師にも診てもらってください。
- 毛づくろいが 急に 減った、しなくなった
- 食べているのに痩せてきた、水をよく飲む、おしっこが増えた
- ジャンプしなくなった、跳ぶ前にためらう、触ると怒る、寝てばかりいる
- 口臭、よだれ、食べにくそう
- 被毛がベタつく、においがする、フケが多い、赤い発疹やかゆみがある(VCAの解説は、これらを獣医師に相談する徴候に挙げています)
- お尻に便や尿がついたままになることが増えた、トイレの失敗が増えた
- 毛玉の下の皮膚が赤い、ただれている
AAFP/AAHA の指針では、シニア猫は少なくとも6か月に1回 の診察が勧められています。ちなみに「シニア」は、同指針では 10歳を超えてから(7〜10歳は中年期)。Cornell の解説では、多くの猫が7〜10歳で加齢の変化に出会い、ほとんどの猫が12歳までにそうなります。環境省の換算表では、猫の11歳は人の60歳です。
目の下の汚れ(涙やけ)は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい 猫の涙やけの原因|感染症のサインと受診の目安を解説 →ドライシャンプーと一緒にやると、汚れにくくなること

毎日のブラッシング。 毛づくろいの代わりです。Cornell の解説では、「優しくブラシやコームをかけると、抜け毛が取れ、血行と皮脂腺の分泌が促され、被毛にツヤが戻る」、そして 「自分の毛づくろいが衰えはじめた高齢の猫は、手で助けてもらう頻度を増やすことで恩恵がある」。短毛でも毎日1〜2分。関節の痛い子は、背中から腰を、毛並みに沿って、軽い力で。ゴムのブラシか、目の粗いコームが、老猫の薄い皮膚には合います。
毛玉は、ハサミで切らない。 長毛の猫、太った猫、関節の痛い猫は、腰まわりとお尻、脇の下、耳の後ろに毛玉ができます。VCAの解説は、はっきり書いています。「毛玉を取るのはバリカンだけ。ハサミは絶対に使わない」。皮膚ごと切ってしまうからです。小さい毛玉は、根元の皮膚を指で押さえて、先からコームで少しずつ。ほぐれない毛玉、皮膚が赤い毛玉は、トリマーか動物病院へ。毛玉を作らないのは、毎日のブラッシングと、拭いたあとに乾かすことです。
爪は、2〜3週間に1回、先端だけ。 老猫の爪は太く、もろく、伸びすぎます(Cornell)。嫌がる子は、1日1本でも構いません。
トイレと寝床を、老猫の体に合わせる。 Cornell の高齢猫の解説にある工夫です。トイレを各階に置く。ふちの低いトイレにする(またげない猫は、おしっこだけトイレでして、便は外でする、ということが起きます)。寝床は風の当たらない暖かい場所に。高い場所には階段やスロープ。夜は常夜灯。ウェットフードで水分を。お尻の汚れとにおいは、ここで減ります。
あわせて読みたい 【猫の臭い】 猫のおしっこが臭う原因と失敗する原因は? →どうしても水で洗うときの注意点

便が広くついた、獣医師に洗うよう言われた——そういうときだけ、全身を洗います。VCAのグルーミングの解説と、我が家のやり方を合わせて書きます。
- 洗う前に、必ずブラッシングで毛玉とほつれを取る。 濡れると毛玉は締まります
- 猫用のシャンプーだけを使う。 VCAの解説では、人用もベビーシャンプーも猫の皮膚には強すぎます。初めて使うものは、薄めて少量から
- お湯はぬるめ(35〜37度くらい)。 少しずつかける。シャワーの音が怖い子は、洗面器から手ですくって
- 泡立ててから洗い、汚れている場所を中心に。 全身をゴシゴシしない
- すすぎ残しをしない。 薄い皮膚に残ったシャンプーは、かゆみの元です
- やわらかいタオルで十分に水分を取り、冷えないうちに乾かす。 ドライヤーは低温で、嫌がれば使わず、暖かい部屋でタオルを替えながら
- 1人で押さえず、2人で短く。 洗う人と、支える人
- 体力が落ちている猫、心臓や腎臓に持病のある猫は、洗う前に獣医師に相談する
洗ったあとは、またドライシャンプーの毎日に戻ります。全身を洗う回数は、少ないほどいい。我が家の老猫は、月に1回も洗いません。
暴れて洗えない猫の場合は、別の記事に書いています。
あわせて読みたい 【新しいお風呂】暴れる猫にドライシャンプーがおすすめな理由 →やってはいけないこと
若い猫と同じように、全身を水で洗う。 皮膚は薄く、血流は減り、体温は奪われます。汚れた部分だけを拭く。
猫に直接スプレーする、冷たい液で拭く。 音と冷えが、老猫にはストレスです。コットンに含ませて、室温で。
人用のシャンプー、精油入りのもの、アルコール入りのシートを使う。 舐める体です。
濡れたまま放置する。 においと皮膚炎の元です。拭いたら、洗ったら、乾かす。
毛玉をハサミで切る。 皮膚ごと切ります。バリカンか、トリマー・動物病院へ。
押さえつけて、一度に全部やる。 嫌がった記憶は、明日のお手入れを難しくします。短く、毎日。
「年のせい」で終わらせる。 急に毛づくろいが減ったら、拭きながら、獣医師にも。
よくある質問
Q. 老猫にシャンプーをしても大丈夫ですか?
水で洗うお風呂は、老猫には避けるのが正解です。Cornell Feline Health Center の解説では、高齢の猫の皮膚は薄く、弾力が落ち、血流が減り、感染しやすいとされ、濡らして乾かす時間そのものが体力とストレスの負担になります。汚れた部分だけを、濡らさずにドライシャンプーで拭く のが、老猫の体をキレイにする方法です。洗わなくても、キレイにはできます。
Q. 老猫のドライシャンプーは、どのくらいの頻度で使えばいいですか?
汚れに気づいたときに、その場所だけ、1〜2分。これが基本です。老猫は毛づくろいが減っているので、背中の後ろ半分、お尻、顎の下、足先は毎日のように汚れます。我が家では、毎日のブラッシングのついでに、汚れている場所をコットンで拭いています。濡らさないので、毎日でも負担になりません。全身を一度にやろうとせず、短く、毎日。
Q. 老猫に使うドライシャンプーの選び方は?
猫は拭いたあとの体を舐めます。だから、口に入っても問題になりにくい成分であること、香料・精油を含まないこと、アルコールや強い洗浄成分を含まないこと、の3つです。猫は精油(エッセンシャルオイル)を分解しにくい動物なので、「天然由来の香り」も避けます。当店の CLEAR WATER は電気分解還元水のみで、香料や精油は含みません。猫に直接スプレーせず、コットンに含ませて拭くのが、老猫に合う使い方です。
Q. 猫は何歳から老猫(シニア)ですか?
AAFP/AAHA の2021年の指針では、7〜10歳が中年期、10歳を超えたらシニア です。Cornell Feline Health Center の解説では、多くの猫が7〜10歳で加齢による体の変化に出会い、ほとんどの猫が12歳までにそうなる、とされています。環境省の換算表では、猫の11歳は人間の60歳にあたります。
Q. 老猫の体が汚れるようになったのはなぜですか?
毛づくろいが減るからです。Cornell Feline Health Center の解説では、高齢の猫は若い猫より毛づくろいが下手になり、毛玉、皮膚のにおい、炎症につながることがあります。背景には、関節の痛み(12歳を超えた猫の90%にレントゲン上の変化があるという研究)、歯の痛み、肥満、甲状腺機能亢進症(被毛がベタつく)があります。拭いてキレイにしながら、急に毛づくろいが減った、痩せてきた、水をよく飲む、ジャンプしなくなった、が重なるなら、獣医師にも診てもらってください。
Q. 毛玉はハサミで切っていいですか?
切らないでください。VCAの解説は、毛玉を取るのはバリカンだけで、ハサミは絶対に使わない、としています。皮膚ごと切ってしまうからです。小さいうちなら、根元を指で押さえてコームでほぐします。ひどい毛玉、皮膚が赤くなっている毛玉は、トリマーか動物病院へ。毛玉を作らないいちばんの方法は、毎日のブラッシングと、拭いたあとに乾かすことです。
まとめ
- 老猫のシャンプーは 「水で洗わない」が正解。皮膚が薄く、血流が減り、感染しやすく、濡らして乾かす時間が負担
- でも汚れは放っておけない。毛づくろいが減った老猫は 毛玉・におい・炎症 につながる
- だから 汚れた部分だけを、ドライシャンプーで拭く。濡らさない、乾かさない、1〜2分、毎日
- 選び方は 舐めても安心な成分、香料・精油・アルコールなし。直接スプレーしない
- ブラッシング、毛玉はハサミで切らない、爪、トイレと寝床 で、汚れそのものを減らす
- 汚れの裏の 関節・歯・肥満・甲状腺 は、拭きながら見る。急に毛づくろいが減ったら獣医師にも
老猫の汚れは、飼い主の手入れ不足ではありません。猫が自分でできなくなったことを、僕たちが代わりにする——それだけのことです。水で洗わなくていい。コットン1枚と1〜2分で、今日から始められます。
参考文献
- The Special Needs of the Senior Cat|Cornell Feline Health Center, Cornell University College of Veterinary Medicine(加齢の変化が始まる年齢、毛づくろいの低下と毛玉・におい・炎症、皮膚と爪の変化、歯の病気、関節炎とトイレ、甲状腺機能亢進症と腎臓病)
- Loving Care for Older Cats|Cornell Feline Health Center(ブラッシングの効果、急な毛づくろいの減少は健康上の問題のサイン、6か月ごとの健診、トイレ・寝床・段差・常夜灯・水分の工夫)
- Coat and Skin Appearance in the Healthy Cat|VCA Animal Hospitals(米国の大手動物病院チェーン。関節炎と肥満による毛づくろいの不足、獣医師に相談する徴候)
- Grooming and Coat Care for Your Cat|VCA Animal Hospitals(毛玉にハサミを使わない、ブラッシングの頻度、猫用シャンプー、関節炎や太りすぎの猫のお手入れ)
- Hyperthyroidism in Cats|Cornell Feline Health Center(中年期以降に多い、徴候、被毛の乱れとベタつき)
- Feline Dental Disease|Cornell Feline Health Center(4歳を超えた猫の50〜90%に歯の病気、サイン)
- Osteoarthritis (OA) in Cats|Comparative Pain Research and Education Center, NC State College of Veterinary Medicine(猫が痛みを隠すこと、毛づくろいの減少を含む行動のサイン)
- Diagnosis and Management of Feline Osteoarthritis|Today’s Veterinary Practice(年齢別のレントゲン上の関節炎の割合)
- 2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines|American Animal Hospital Association / American Association of Feline Practitioners(猫のライフステージの定義。シニアは10歳超。シニア猫は少なくとも6か月に1回の診察)
- 高齢ペットとシルバー世代|環境省(犬猫と人間の年齢換算表)
免責事項
本記事は一般的な情報の提供と、我が家での経験の共有を目的としたものであり、診断ではありません。愛猫の症状については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。記載内容は執筆時点で確認できた情報にもとづいており、個々の猫に当てはまるとは限りません。急な変化があるときは、記事を読み進めるより先に動物病院へご連絡ください。
記事執筆者・監修者
- 西尾 亮佑
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【ペット業界15年以上】横浜ペットコミュニティ専門学院にてトリミング・訓練を学び、大手ペットショップ・ペットメーカーに勤務。数多くのペットショップ・トリミングサロン・動物病院を視察してきました。
その中でペット業界の矛盾の多さや利益優先の姿勢に疑問を持ち、愛犬・愛猫の健康面を最優先に考える想いを貫くため2020年7月15日にDog&Cat CLEARを設立。愛猫21匹と愛犬2匹と暮らしながら『愛犬・愛猫の健康は飼い主が守る』を発信しています。